東海第2原発の再稼働に同意が必要な6市村
 2月28日、東海村にある東海第2原発の再稼働を目指す日本原子力発電は、再稼働の際に事前に了解を得る必要がある周辺6つの自治体(原子力所在地域首長懇談会)の会議を開き、村松衛社長が改めて再稼働を目指すとの考えを伝えました。日本原電は2月22日に、大井川和彦知事と山田修東海村長、高橋靖水戸市長に再稼働を目指す意向を表明していました。
 会合の冒頭、村松社長は東海第2原発の新安全協定締結や運転延長認可などを説明した上で、再稼働を目指す意向を伝えました。会合は冒頭だけマスコミに公開されました。山田村長によると、懇談会は新安全協定に基づき原電の安全対策工事や住民の避難計画に関する協議などを進めることを確認するため、6市村と原電が事務レベルで協議する連絡会議の設置が決まりました。山田村長は「今日が新安全協定のスタート」とし、「1市村でも同意できない、反対の場合にはその先に進まないということを改めて確認した」と説明しました。
 東海第2原発は周辺自治体全ての了解のほか、今後およそ2年をかけて安全対策工事を行う必要があり、再稼働の時期はまったく見通せない状況です。
 この日の会合では、首長側から「なぜ今表明なのか」「工事の時期は」といった質問が出たほか、原電との間で、自治体や住民との信頼関係の欠如を指摘する声も上がったと報道されています。
 村松社長は安全対策工事について「なるべく早く、来週以降に詳細の中身を示したい」と述べたほか、来年度に住民説明会を開く意向を示しました。再稼働の地元同意取り付け時期については「まだ本格的な工事もできていない。一定のめどがつかないと先に進めない」と明言を避けました。
 懇談会に初めて出席したひたちなか市の大谷明市長は「広域避難計画に苦労している中で、実効性のある避難計画にならない限り再稼働は認められない」と語りました。山田村長は「事業者だけが前に進んでいるという懸念があるが、再稼働の表明を受けたので協定に基づいて議論を進めたい。きょうが新しい協定のスタートになる」と述べました。
 一連の議論の中で「6市村の内、1市村でも同意できない(反対)の場合には再稼働は出来ない」ということが改めて確認されてことは重要なことです。