
茨城県の北部地域(県北地域:ケンポク)で、その豊かな食文化を見直し、観光振興や地方創生に繋げていこうという新たな取り組みが始まっています。それが『茨城県北ガストロノミー』です。
ガストロノミーというちょっと聞きなれない言葉ですが、辞書を引くと「美食学」と和訳されています。その地域の郷土史や自然環境まで掘り下げ、その地域の食材や調理法を調べ上げ、深く理解し、料理人が料理という形でアウトプットし、食べ手もその文化や自然を学びながら美味しい料理に舌鼓を打ち、それを語らう、そしてその素晴らしさを広く全国に、世界に発信する・・・・そんなプロジェクトが、動き出しました。
こうした地域の逸品を、地元の料理人が手塩を掛けて料理し発表したイベントが、県北地域の3つの旅館で開催される『茨城県北ガストロノミーイベント』でした。(このブログ「茨城県北ガストロノミーイベント、期間限定開催!」をご覧下さい:http://blog.hitachi-net.jp/archives/51698876.html)

そして、その第二弾として3月17日、1日限定のバスツアー『茨城県北ガストロノミーツアー』が開催されました。
私も妻と一緒に参加しました。このバスツアーでは県北地域の美味しい食材とその食材が生まれる場所を訪ねました。訪れた場所は、野菜ソムリエのいる農園・栗原農園(常陸太田市)をはじめ、全国新酒鑑評会で金賞を受賞する酒蔵・岡部酒造(常陸太田市)、全国味噌鑑評会で数々の賞を受賞する味噌蔵・内山味噌店(日立市)、多彩な魚が上がる久慈漁港などなど。県北地域の食の豊かさを実感できる小旅行となりました。

さらに、バスツアーには全国を「旅する」シェフとしても有名な吉田友則シェフが、キッチンカーで伴走するというゴージャスな企画。レクサスアメージングエクスペリエンス料理提供など、数多くの著名人や世界で活躍するスポーツ選手に支持愛される吉田シェフです。そんなシェフの作る、県北地域の素材と郷土料理をオマージュしたのはもちろん、各地で美味しい試食も提供されました。

県の県北振興局の事業である「いばらき県北ガストロノミー」の関連経費は、平成30年度で1000万円。・県北地域の伝統的な料理や食材に関するアンケート及びヒアリング調査、・ワーキンググループ活動(民間事業者、有識者、生産者、県及び市町職員で構成)、・期間限定ガストロノミーメニューの開発・提供、・口コミ分析調査及びヒアリング調査の実施、・ガストロノミーモデルツアーのテスト販売・実施などが実施されました。
来年度以降、こうした新たな取り組みがどのように定着させ、広く発信していくかが課題となります。