
4月1日から公道走行が解禁される二人乗りタンデム自転車。あわせてベロタクシー(自転車タクシー)の試乗会が、3月22日水戸市千波公園で開催されました。
視覚障害者の団体や県議会議員などが集まり、自転車の新しい楽しみ方を満喫しました。
特に、視覚障害のある方を後部に乗車してもらい二人乗りできるタンデム自転車は、新しい可能性を開くものです。「何十年ぶりかで自転車に乗って感動した」と語る視覚障害を持った方の言葉が新鮮でした。
この試乗会には、タンデム自転車の公道走行を求めてきた県議会公明党のたかさき進県議、八島いさお県議、村本しゅうじ県議も参加しました。

今まで、茨城県内の一般公道で走行が禁止されているタンデム自転車(ペダルとサドルが2人分付いた2人乗り自転車)について、茨城県警は県道交法施行細則を改正し、4月1日から走行を解禁します。
併せて「ベロタクシー」などと呼ばれる三輪自転車タクシーについても、事業者の乗客運送に限り同様に解禁されます。
両自転車の走行解禁は、県議会公明党などが提案。観光や視覚障害者の団体が昨年(2018年)末、県と県警に要望していました。
県警交通総務課によると、道交法は路上の危険防止と安全確保を図るため、必要に応じ軽車両(自転車)の乗車人員を制限する権限を都道府県公安委員会に与えています。これを受けて県公安委は施行細則を規定。複数乗車について、タンデム車に関しては2001年9月、自転車専用道か自転車歩行者専用道(つくば霞ケ浦りんりんロードの一部区間)のみ走行可としています。ベロタクシーを含む三輪車は、運転者以外を乗せた公道走行を認めていませんでした。
今回の施行細則の改正で、タンデム車の公道走行を解禁します。三輪車は、乗客運送に限り公道走行を解禁した上で、運送事業者以外は自転車専用道か自転車歩行者専用道のみ可能とします。
タンデム車はパラリンピックの種目になるなどしており、視覚障害者が後席に乗車してペダルを回します。県視覚障害者協会は「自転車に乗りたい、風を切りたいという声がある」とタンデム車解禁を訴えていました。
タンデム車は解禁後も歩道通行ができないなど、普通自転車とは異なる細かなルールが残ります。また、走行も一般の自転車とは勝手が違うこともあり、ある程度の練習も必要です。
現在、タンデム自転車は23府県で、三輪自転車は42都道府県で、それぞれ何らかの形で走行可能となっています。