ジンベエザメ
 12月23日、茨城県の大井川和彦知事は、アクアワールド大洗(茨城県大洗水族館:http://www.aquaworld-oarai.com/)に、日本最大級の水槽を整備し、ジンベイザメを展示する計画を発表しました。
 茨城県は「アクアワールド茨城県大洗水族館」や国営ひたち海浜公園など県内有数の観光資源が集まっている大洗町とひたちなか市について、町や市、それに観光協会などと連携してリゾート地とすることを目指しています。
 その中核となる県立のアクアワールドは、飼育しているサメが60種類以上と日本一の種類数を誇り、年間およそ100万人が訪れていますが、より多くの観光客を呼び込もうと、県は東日本の水族館では唯一となるジンベエザメの飼育に乗り出します。
 ジンベエザメは体長10メートル以上にまで成長する世界最大の魚です。
 国内では沖縄県の美ら海水族館などの4か所の水族館で飼育されていて、大きくなると水槽に入りきらないとして海に放している水族館もあります。アクアワールドではジンベエザメを生涯飼育できる日本最大級の水槽を備えた施設を現在の施設に隣接する形で新たに建設します。
 茨城県は来年度から調査費を計上して事業化に着手するとともに、定置網などにジンベエザメが入って捕獲されるのを待ち、3〜4年以内にはジンベエザメを展示できるようにします。
 大井川知事は、総事業費を130億円と発表しました。
ジンベイザメの展示計画
【大井川和彦知事の記者会見 2019/12/23】
大井川知事:県では、観光資源を磨き上げることによって、さらに魅力的でおしゃれなリゾートを目指すということで、ひたちなか大洗リゾート構想を先般策定したところでございますが、大洗水族館はその構想の中での一つの集客施設に当たります。地域間競争を勝ち抜いて、茨城県全体を活性化していく、あるいは交流人口を増やしていくためにも、サメの飼育種類数が日本一という大洗水族館の特徴を生かして、さらにそれを強めていく、強みを強化していくという観点でジンベイザメ館を整備して、誘客促進をするということを決定いたしました。大洗水族館が実施したアンケートにおいても、ジンベエザメの展示を望むという回答が一番多いということでございますので、展示後は、東日本で唯一のジンベエザメの展示をしている水族館ということでPRもできると考えております。
 事業内容でございますが、ジンベエザメを確保するとともに、生涯飼育、展示できる施設を新たに設置するというものです。水量は8000トンを予定しておりまして、日本最大の室内水槽となる見込みです。スケジュールにつきましては、令和2年度に設計を完了させ、令和3年度から建設工事を開始して、令和4年度末のオープンを目指しております。全体事業費は約130億円を見込んでおります。
 今、スライドに事業予定地が映っておりますが、現在の水族館のお隣、この範囲内で建設を予定しており、詳細については今後の設計の中で検討していきたいと考えています。
日経(幹事社):幹事社から2点ほど伺います。このジンベエザメの展示については、いつごろからご検討を始められたのでしょうか。
知事:ジンベエザメの内部検討としては、1年半ほど前から議論を始めました。
日経(幹事社):その議論が始まったきっかけみたいなものがありましたら、教えていただけますでしょうか。
知事:私の地方視察で、沖縄、大阪でそれぞれジンベエザメを飼っている水族館を視察の中の一つのメニューとして入れていて、大洗水族館の魅力向上策の参考にということで回ったのですが、その際の印象などを踏まえて、こういうことを検討できないか内部に検討を指示して、今回こういう発表になったという経緯です。
日経(幹事社):ありがとうございます。もう1問ですが、当然、集客の柱に位置づけていくお考えかと思うのですが、現状と比べまして、このジンベエザメによってどれくらい集客の効果が図れるかお考えでしょうか。
知事:想定ということですが、今、大体100万人ぐらいの入場者数が大洗水族館に来ていますので、その倍ぐらいになるのを目指すものでないとあまり意味が無いかなと思っています。もう一つは、ひたちなか大洗リゾート構想で打ち上げた構想というのは、ひたちなかはひたちなか、あるいは大洗は大洗ということで観光を終わらせないで、周遊していただいて、できればそのまま宿泊していただくというような観光需要をつくり出すという観点でも、ネモフィラ、あるいはコキアといったような非常に強い観光資源を持つひたち海浜公園と相まって、もう一つの大きな柱ができるのではないかなということです。それから、最近、茨城空港に連続チャーターも増えて、就航便が増えてきていますので、特に中国など海外からいらしていただいている観光客の皆さんが、そのまま東京に行くのではなく、県内周遊をする楽しみという意味でも、非常にわかりやすいランドマーク的な施設ができるのではないかなと考えています。