3月19日、茨城県議会予算特別委員会が開かれ、「アクアワールド茨城県大洗水族館」にジンベエザメを展示するための予算案について、大幅に減額した修正案が全会一致で可決されました。
大井川知事は、令和2年度予算案の中に、アクアワールド茨城県大洗水族館にジンベエザメを展示する施設の設計費などに3億4700万円を計上しました。一方、県議会は収支の見通しや交通渋滞対策の議論、議会への説明など不十分だとして、3月12日の常任委員会では、全会一致で予算案を「否決」しました。
これを受け、19日開かれた予算特別委員会で、いばらき自民党は、収支や交通渋滞の見通しなどを調査するための費用として、4500万円のみ計上した減額修正案を提案。予算特別委員会で、提案した議員は「少子化や新型コロナウイルスの経済への影響など先行きが見通せないリスクがあるなかで事前の説明や議論が不十分だ」と提案理由を説明しました。
茨城県議会公明党の田村けい子委員は、自民党案への質疑を行い、修正案に対して賛成の立場を表明しました。
採決の結果、全会一致で修正案が可決されました。19日採決された修正案は県議会最終日の本会議に提出され、可決される見通しです。
今回、提案された「アクアワールド茨城県大洗水族館新館整備事業」の予算は、3億4700万円。美ら海水族館などで話題となっている「ジンベエザメ」を終生飼育する施設を、新らたに整備しようとするものです。令和4年度までに完成を目指すその総事業費は130億円に及ぶものです。ちなみに、この金額は大洗町の年間予算・約80億円の1.6倍に当たります。
いばらき自民党は、この予算案に対して、3つのポイントを上げて反対しました。
まず一つ目は収支の見通しです。今回示された計画では、現在年間110万人程度の入場者数を、200万人を目標に増加させるとしています。それを前提に収支見通しをたて、2〜30年ほどで県債(県の新展示施設を作るための借金)を償還できると見込んでいます。しかし、人口減少、少子化が進む中で、ジンベイザメの導入をもって、現状の1. 8倍もの集客を確保できるか疑問であると指摘しました。
さらに、県の財政も決して余裕があるわけではないと主張。来年度当初予算では、法人二税が企業収益減により、前年度比61億円の減収を見込んいることや、新型コロナウイルスの災禍が全世界規模で急激に広がる中、世界経済の停滞が懸念されていることなど、慎重な県政運営を求めました。
そして2つ目として、現状、大きな課題となっている交通渋滞対策の課題を強調しました。時期によっては、アクアワールド大洗周辺は大変な混雑となり、この地域を訪れる観光客の満足感に悪影響を及ぼしています。たとえ、展示自体が素晴らしいものであっても、交通アクセスに支障があり多大な時間の浪費とストレスを観光客に与えてしまうのでは、いばらきの観光の印象は悪化し、リピーターを増やすことはできません。
パークアンドバスライドを大規模に計画しますが、それでは地元・大洗にお金は落ちません。周遊性と良好な交通アクセスのバランスを確保した綿密な交通計画が不可欠です。また、ひたちなか市と大洗町を結ぶ観光アクセスラインは、海門橋の慢性的渋滞をはじめ不十分であり、海門橋の老朽化対策などもセットにした、トータルな交通渋滞対策の必要性を主張しました。
そして3つ目として、議会と県民の皆様への説明が不十分であると指摘しました。今回の新展示施設の件はその予算規模からしても、茨城県の将来に多大な影響を及ぼす重要な政策であるにもかかわらず、議会に対して事前に十分な説明があったとは言い難いと非難しました。
議会や県民との十分な協議がなかった現状を鑑み、一度立ち止まって 「ひたちなか大洗リゾート構想」の中で、この地域全体の魅力向上に向けた議論を深めていく必要があると訴えました。
以上3点を踏まえて、いばらき自民党は、現状課題となっているアクアワールド大洗周辺地域における交通環境を調査し、将来的な交通需要にも耐え得る効率的で最適な交通インフラ整備のための交通計画策定すべきとして予算を減額することを提案しました。
議会最終日に減額修正案が可決されれば、すでに公示されているプロポーザル事業は白紙に戻されます。海門橋の架け直し、ひたちなか海浜鉄道の延伸計画など「ひたちなか・大洗リゾート構想」の中に、より詳細な練り直し、ジンベエザメの飼育施設を明確に位置づけることが重要です。そもそもジンベエザメの「終生飼育」にこだわる必然性も議論することも必要でしょう。
さらに、新型コロナウイルス禍の経済的影響は、リーマンショックを上回るとの予測もあります。
「一度立ち止まって議論を深める」との主張は正しい選択です。1年間かけてじっくりと計画を練り上げ、その上で一気呵成に事業を進めてはどうでしょうか。
大井川知事は、令和2年度予算案の中に、アクアワールド茨城県大洗水族館にジンベエザメを展示する施設の設計費などに3億4700万円を計上しました。一方、県議会は収支の見通しや交通渋滞対策の議論、議会への説明など不十分だとして、3月12日の常任委員会では、全会一致で予算案を「否決」しました。
これを受け、19日開かれた予算特別委員会で、いばらき自民党は、収支や交通渋滞の見通しなどを調査するための費用として、4500万円のみ計上した減額修正案を提案。予算特別委員会で、提案した議員は「少子化や新型コロナウイルスの経済への影響など先行きが見通せないリスクがあるなかで事前の説明や議論が不十分だ」と提案理由を説明しました。
茨城県議会公明党の田村けい子委員は、自民党案への質疑を行い、修正案に対して賛成の立場を表明しました。
採決の結果、全会一致で修正案が可決されました。19日採決された修正案は県議会最終日の本会議に提出され、可決される見通しです。
今回、提案された「アクアワールド茨城県大洗水族館新館整備事業」の予算は、3億4700万円。美ら海水族館などで話題となっている「ジンベエザメ」を終生飼育する施設を、新らたに整備しようとするものです。令和4年度までに完成を目指すその総事業費は130億円に及ぶものです。ちなみに、この金額は大洗町の年間予算・約80億円の1.6倍に当たります。
いばらき自民党は、この予算案に対して、3つのポイントを上げて反対しました。
まず一つ目は収支の見通しです。今回示された計画では、現在年間110万人程度の入場者数を、200万人を目標に増加させるとしています。それを前提に収支見通しをたて、2〜30年ほどで県債(県の新展示施設を作るための借金)を償還できると見込んでいます。しかし、人口減少、少子化が進む中で、ジンベイザメの導入をもって、現状の1. 8倍もの集客を確保できるか疑問であると指摘しました。
さらに、県の財政も決して余裕があるわけではないと主張。来年度当初予算では、法人二税が企業収益減により、前年度比61億円の減収を見込んいることや、新型コロナウイルスの災禍が全世界規模で急激に広がる中、世界経済の停滞が懸念されていることなど、慎重な県政運営を求めました。
そして2つ目として、現状、大きな課題となっている交通渋滞対策の課題を強調しました。時期によっては、アクアワールド大洗周辺は大変な混雑となり、この地域を訪れる観光客の満足感に悪影響を及ぼしています。たとえ、展示自体が素晴らしいものであっても、交通アクセスに支障があり多大な時間の浪費とストレスを観光客に与えてしまうのでは、いばらきの観光の印象は悪化し、リピーターを増やすことはできません。
パークアンドバスライドを大規模に計画しますが、それでは地元・大洗にお金は落ちません。周遊性と良好な交通アクセスのバランスを確保した綿密な交通計画が不可欠です。また、ひたちなか市と大洗町を結ぶ観光アクセスラインは、海門橋の慢性的渋滞をはじめ不十分であり、海門橋の老朽化対策などもセットにした、トータルな交通渋滞対策の必要性を主張しました。
そして3つ目として、議会と県民の皆様への説明が不十分であると指摘しました。今回の新展示施設の件はその予算規模からしても、茨城県の将来に多大な影響を及ぼす重要な政策であるにもかかわらず、議会に対して事前に十分な説明があったとは言い難いと非難しました。
議会や県民との十分な協議がなかった現状を鑑み、一度立ち止まって 「ひたちなか大洗リゾート構想」の中で、この地域全体の魅力向上に向けた議論を深めていく必要があると訴えました。
以上3点を踏まえて、いばらき自民党は、現状課題となっているアクアワールド大洗周辺地域における交通環境を調査し、将来的な交通需要にも耐え得る効率的で最適な交通インフラ整備のための交通計画策定すべきとして予算を減額することを提案しました。
議会最終日に減額修正案が可決されれば、すでに公示されているプロポーザル事業は白紙に戻されます。海門橋の架け直し、ひたちなか海浜鉄道の延伸計画など「ひたちなか・大洗リゾート構想」の中に、より詳細な練り直し、ジンベエザメの飼育施設を明確に位置づけることが重要です。そもそもジンベエザメの「終生飼育」にこだわる必然性も議論することも必要でしょう。
さらに、新型コロナウイルス禍の経済的影響は、リーマンショックを上回るとの予測もあります。
「一度立ち止まって議論を深める」との主張は正しい選択です。1年間かけてじっくりと計画を練り上げ、その上で一気呵成に事業を進めてはどうでしょうか。