コロナ対策として、一律10万円を給付する(特別定額給付金)意義や、政策実現に公明党が果たした役割について、作家の佐藤優氏にが語っています。公明新聞2020年5月6日付紙面より紹介します。

人間主義の真価を発揮、「社会の分断」つくらぬ制度
佐藤優氏 10万円の「一律給付」を高く評価している。この政策は、大衆の心が分かる公明党が主導的役割を果たさなければなし得なかった。
 所得が激減した世帯に30万円を給付する当初の政府案は、制度も複雑で、給付金を受け取れる人とそうでない人で分断が生じる。経済的に厳しい立場に置かれている人は、情報弱者でもある。いくら簡易な手続きにしても、資格がありながら受給できない人も出ていたはずだ。
 だから公明党は、新型コロナウイルスによる感染者が増えている危機的な状況において、社会の分断をつくらない方向に導いた。もし、一律給付という形でなかったならば、日本社会は大変な状態になっていただろう。これは、正しく評価されなければならない。
 軽減税率の導入もそうだったが、社会に分断をつくらないことは、公明党の一貫した考え方だ。その意味で、人数的には少ないかもしれないが、公明党の尽力で無戸籍者や在日外国人にも支給される制度設計になったことも素晴らしい。
 なぜ、公明党に政府の政策を動かすことができたのか。それは、全ての人の生命を大切にする、ただの一人も取りこぼさないという「生命尊重」「人間主義」の価値観を公明党が持っているからである。その精神があるからこそ、重要な局面において、本当に価値あることが創造できるのだ。
 一部報道にあるように、首相が選挙協力に配慮し、公明党の主張をのんだという皮相的な見方をすべきではない。大衆、民衆に基盤を置く公明党の主張が正しいと認めたから、首相は大胆な政策転換を行ったのである。君子豹変という言葉は本来、間違いをすぐに改められるということ。公明党を通じた大衆と民衆の力が首相を動かしたのだ。
 この疫病という危機を克服するには、大衆政党である公明党に頑張ってもらうしかない。もし公明党に問題があるとすれば、自己の能力の過小評価だ。正しい価値観を持っている政党として、今の政治姿勢を堂々と貫き、今こそ「人間主義」「中道主義」の真価を一段と発揮してもらいたい。