6月21日、新たな公共関与(県が所管する)の産業廃棄物最終処分場の建設説を巡って、日立市の日立セメント太平田採石場跡地の地元住民への説明会が開かれました。
参加した住民からは、交通事故や騒音に対する不安の声が上がりました。
説明会は午前と午後の2回開催され、このうち午前中は上諏訪地区の住民10人が出席し、県の担当者から説明を受けました。午後からは太平田地区と北の沢地区の住民を対象に開かれ、およそ30人が出席しました。
県側は池田正明廃棄物対策課長やエコフロンティアかさまを運営する県環境保全事業団の担当者らが出席。事業概要や選定理由などの説明後、質疑が行われました。
上諏訪地区では「なぜ山の中に捨てるのか」といった選定理由への疑問のほか、有害物質搬入や遮水シート破損への懸念などの指摘がありました。県側は「有害物質は国の基準より厳しい基準を設定」「遮水は多重構造にして地下に染み込まない」などと説明しました。1日約100台と見込まれる搬入車両を巡っては道路が狭く、騒音も心配されるとの意見があり、県側は「交通安全対策は可能な限り対応する」と答えました。
また、大平田・北の沢地区では、地下水を水源とする簡易水道を住民約35軒が使っており、水質汚染に対して疑問の声も寄せられました。放射性物質を含んだ廃棄物搬入の可能性についても質問が出され、県側は「エコフロンティアかさまは4000ベクレル以下の放射性物質を含む下水汚泥などを受け入れたことはあるが、地元の了解なしに入れることはない」と強調しました。
終了後、上諏訪自治会の石川徹会長は「決め方に納得がいかない」と話しました。一方、大平田自治会の内田勉会長は「きょうの説明ではまだ分からない。不安も大きく現時点では反対だ」と語りました。
県は今後、候補地に近い地域から説明会を重ね、市内全域に順次、開催していく方針です。
写真は、説明会の模様を伝えるNHKの放送と太平田地区の簡易水道施設。