JR日立駅前で30年間営業を続けてきた「イトーヨーカドー日立店」が、来年(2022年)1月16日に閉店することになりました。日立市は、後継のテナント誘致、従業員の再就職支援や商店街の活性化対策に取り組むことにしています。
「イトーヨーカドー日立店」は、平成3年にJR日立駅前に開店し、食料品売り場のほか衣料品店や飲食店などが入る商業施設として地域の人たちに親しまれてきました。
しかし、人口減少や他の商業施設との競争などで業績の不振が続き、直接的には新型コロナウイルスの影響による経営状況の悪化などから、2020年10月下旬、「業績回復が見込めない」として閉店を機関決定し、12月に日立市に通告しました。小川春樹市長と秋山光伯日立商工会議所会頭が今年4月、東京都内のイトーヨーカドー本社を訪れ、存続を求める要望書を提出していました。イトーヨーカドーの閉店の意思を覆すには至らず、6月4日、出入り口に閉店を知らせる貼り紙が出されました。
施設内にある市の子育て支援施設「Hiタッチらんど・ハレニコ!(日立市屋内型子どもの遊び場)」は、引き続き運営を続けていきます。同じく4階の「丸善 日立店」、雑貨店などが入る5階は営業を継続することになっています。
「イトーヨーカドー日立店」、日立市が手掛けた日立駅前再開発事業の中核商業施設として1991年10月に開店。今年10月に30周年を迎えます。開店当初は年間売り上げが120億〜130億円あったが、2008年度から赤字状態に陥り、最近は30億〜40億円まで売り上げが減少していました。
開店時は、本館ビル地下1階から地上5階と、駐車場が入る別館を営業していました。徐々に規模縮小し、現在は地下1階で食料品、1〜3階で衣料品などを扱っていまする。
本館、別館とも現在は三菱UFJ銀行系の金融機関が所有しています。「イトーヨーカドー日立店」はメインテナントの形で入居しています。従業員は正社員、パートを合わせ164人(4月末現在)。専門店24店が入っています。
小川春樹日立市長は、地元マスコミの取材に対し「閉店は市民や周辺商店街に与える影響が極めて大きく、大変残念。後継店舗の誘致を早急に進める」などとコメントしています。市はビル所有者側と連携しながら、駅前立地で強みを発揮できる商業施設を誘致したい考えです。