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 9月8日、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組は、次期衆院選に向けた政策協定を締結しました。野党共闘を支持する市民団体が仲介しました。
 この市民団体とは、正式名称を「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と言います。
 その実態は、まさに共産党のフロント組織そのもです。
 団体の呼びかけ人には、SEALDsをはじめとする共産党のフロント組織がズラーと並んでいます。●戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、●安全保障関連法に反対する学者の会、●安保関連法に反対するママの会、●立憲デモクラシーの会、●SEALDs(2016年9月 解散)

 政策協定は平和安全法制の一部廃止や消費税減税などが柱となっています。9月9日付マスコミ各紙は、「実現可能性に課題の多い項目が並び、立民内からも疑問の声」(読売)、「候補一本化急ぎ妥協」(産経)、「『選挙互助会』にとどまるな」(朝日)など、注文や指摘を投げ掛けました。
 とりわけ平和安全法制の一部廃止を掲げたことについて、読売は「(同法制は)日米同盟の信頼関係の基礎となっており、見直せば同盟関係が揺らぐ恐れがある」と危惧を表明。その上で、「立民の源流の民主党政権は、普天間飛行場の『最低でも県外』への移設を掲げたが、迷走の末に辺野古移設に回帰し、米国と沖縄県の信頼を損ねた経緯がある」と強調しています。
 朝日は「立憲民主、共産両党の間では日米安保条約に対する考え方が異なり、外交・安全保障を共に担う連立政権を組む関係には成熟していない」と指摘し、両党などの野党共闘が「選挙互助会」にとどまりかねない現状に懸念を示しました。
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 また、協定の中身をよく見てみると、協定の当事者である「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の代表者の氏名も捺印もありません。各政党も代表者の署名はあるものの、政党としての捺印はなく、政党代表者の個人的な署名なのか、政党として機関決定された公的な協定なのか、第三者には判別出来ません。
 そもそも、各政党の基本的な政策と齟齬が出ている箇所もあります。例えば、立憲は2021年3月30日付けの基本政策の中で「政治分野でのジェンダー平等実現にむけて国政選挙におけるクオータ制の導入をめざします」と明記しています。それが、今回の政策協定では「政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。」。ここで言うパリテとは、男女平等=同数の政治参画を規定しているフランスの法律を指します。選挙の候補者を男女同数にすること、候補者名簿を男女交互に記載することなどを政党に義務付けています。2000年6月制定されました。パリテは、フランス語で「均等・同数」という意味です。現在、立憲の政策にパリテを記述したものはありません。枝野代表の一存で党の政策が変わってしまったのでしょうか?

 共産党の志位和夫委員長は「この政策を旗印としてしっかり高く掲げ、野党が結束して選挙を戦い、新しい政権をつくる」と、野党連立政権に向け、前のめりぶりを見せています。が、一方、立憲の枝野幸男代表は「共産党との連立政権は考えられない」との立場を崩してはいません。そもそも、この協定について野党4党間で本格的に政策協議が行われたかどうかも定かではありません。総選挙を前にして一向に上がらない野党の支持率に対する焦りの産物とみるべきです。
 そして立憲など野党は、共産党の「さしあたって一致できる目標で統一戦線政府=民主連合政府を」との策略にまんまと取り込まれてしまっているようです。悲しいことです。
(写真と協定書は立憲民主党のホームページを参照しました)