千葉県は、新型コロナウイルスの流行の第6波に備え、患者を受け入れる新たな臨時医療施設を千葉銀行の研修施設「ちばぎん研修センター」(千葉市稲毛区)に建設中です。
臨時医療施設は110床で、今年2月に開設した県がんセンター旧病棟(48床)に続き県内2例目の施設となります。運用開始は感染状況で判断するといい、コロナ用病床が満床になる兆候が見られた時に、高齢者や基礎疾患がある人など重症化リスクがある軽症者の受け入れを想定しています。この施設が稼働すれば、最大確保病床数は現行の1488床から1736床(うち重症者用478床)に増加します。
11月25日の記者会見で熊谷俊人知事は、「初期段階の治療で重症化リスクを軽減できる。医療を届けられず、さらに重症者が増える負のスパイラルにならないように、最後の切り札を一つ持っていた方が良い」と説明しました。
研修センターは、千葉銀行が無償提供しました。大研修室にベッドを設置したり、宿泊用の個室を病室に改装したりします。また、敷地内の駐車場にホテル療養者に該当する感染者を受け入れる宿泊療養施設(約50床)を建設します。
この宿泊医療施設に、災害時の仮設住宅などに活用されている移動式木造住宅「ムービングハウス」が採用されました。
ムービングハウスは、耐用年数100年といわれる木造の住宅ユニット。長さ12メートル、幅2.4メートルの基礎ユニットを5つ横に連結した建物(横12メートル、幅12メートル)を5棟設置します。11月30日には、北海道や茨城県などで展示ルームや会議室として使われていたユニットが一端解体され、大型トレーラーで建設現場に移動されました。12月1日から大型クレーンで再度組みたてられ、3日には建物の外装は完成します。その後、電気ガス水道などの設備工事、ベットなどの什器、必要な医療機器などが搬入され、年内には使用出来るようになります。
ムービングハウスは、その圧倒的な機動性が高く評価されています。全国の拠点で利用されていたムービングハウスをわずか、4日間で移動し新たな目的のために利用出来るようになりました。また、高断熱性や高気密性など、従来のプレハブ建設とは比べものにならない機能が、新型コロナ感染症の臨時医療施設として真価を発揮すると期待されています。