「火星砲-17」発射の写真(朝鮮中央通信)

専守防衛の下、防衛力を強化。日米同盟を基軸として抑止力・対処力の一層の向上を図る
 ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序を侵害する断じて許し難い行為です。こうした暴挙を受け、「東アジアでも力による一方的な現状変更が起こるのではないか」との不安の声が上がっています。
 また、北朝鮮の度重なるミサイル発射など、わが国を取り巻く安全保障環境は一段と厳しくなっています。こうした深刻な脅威から、国民の生命と平和な暮らしを守るためには、隙間のない安全保障体制の構築が必要です。
 公明党はこれまで、平和外交や国連平和維持活動(PKO)協力法の制定を推進するなど、紛争の未然防止や平和構築に取り組んできました。
 平和安全法制の制定では、憲法9条の範囲内で可能な「自衛の措置」の限界を明確にさせ、その上で、武力攻撃に至らない、いわゆる「グレーゾーン事態」から有事まで隙間のない対処を可能としました。
 また、日本を守るために活動中の米軍部隊が攻撃を受けた場合、自衛隊が防護できるようにし、日米同盟の信頼性も向上させました。現下の厳しい安全保障環境を鑑みたとき、この法整備の正しさが証明されていると思います。今後も、内外の諸情勢を客観的に踏まえ、現実的な安全保障体制を整えていきます。 
 日本の安全保障政策は、憲法9条を基にした専守防衛の下、日米同盟による防衛協力体制が基軸です。平和安全法制によって、日米同盟の信頼性は高まり、抑止力・対処力は確実に強化されています。
 現代の安全保障を考える際、一国だけで自国の防衛を担うのは困難な時代を迎えています。今後はさらに、日米の連携を強化し、抑止力の一層の向上を図っていく事が重要です。 
 厳しさを増す安全保障環境に対処するためには、日本の防衛力を強化していくことは必要です。政府が6月7日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」には、防衛力の5年以内の抜本的強化や北大西洋条約機構(NATO)が防衛費の国内総生産(GDP)比2%以上を目標としていることが例示されました。
 しかし、金額が先にありきの防衛費の議論には疑問を感じます。何が不足し、何が必要なのか、しっかりと議論を進め、真に必要な防衛費の増額については、国民の理解を得ながら進めていくのが常道です。

非核三原則は堅持すべき!
 唯一の戦争被爆国として、公明党が主導し、今や国是となっている「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則は、絶対に堅持すべきです。核兵器の脅威に関しては、日米同盟を強化することで抑止力を高めることが重要です。
 核兵器は「絶対悪」であり、使用したものは“死刑に値する”との厳しい表現を持って、創価学会の戸田城聖第二会長は、核の使用を何としても食い止めようと訴えました。絶対的な真理はその理由を語る必要はありません。なぜ戦争は許されないのか。なぜ核兵器は許されないのか。「許されないから、許されないのです」。この真理の上に立って、現実の国際情勢の難題に挑戦するのが公明党の役割だと確信します。繰り返しになりますが、公明党がめざすのは「核兵器のない世界」です。現下の厳しい安全保障環境下では、米国の持つ核抑止力は必要と言わざるを得ません。日本は核保有国と非保有国の橋渡しに全力を尽くし、核兵器禁止条約への参加を進めていく必要があります。
 日本維新の会などが主張する「持ち込ませずを削除した“非核2原則論”」などは100%認められません。一部政治家が持ち出した「核シェアリング論」も、日本が選択すべき路線ではありません。