きょう9月16日は、「治水の日」です。75年前(1947年)の9月15日、関東地方東岸を通過したカスリーン台風により利根川本流が決壊し、未曽有の大水害がもたらされました。この教訓を後世に語り継ぎ、冶水事業の重要性の教訓を後世に語り継要性を広く知ってもらうことが「治水の日」の意義です。
カスリーン台風は、房総半島南端を通過し関東東北地方に多くの被害をもたらしました。埼玉県熊谷での降水量は、約618mm、秩父では約610mmという豪雨を記録しました。利根川上流域赤城山を中心とする山地一帯は土砂流出がおびただしく、甚大な被害が発生しました。各河川で氾濫が起こる中、利根川本川でも埼玉県加須市(当時:東村)と茨城県坂東市(中川村)で決壊しました。
カスリーン台風による被害は、関東地方で家屋浸水約30万3160棟、家屋の倒壊・半壊約1万3381棟、死者1100人。カスリーン広場に設置された「決壊口跡の碑」には「この国土に住む限り治水を疎かにしてはならない」「我々に続く河川工事関係者に不断の努力を切望」など決意文が刻印されています。
カスリーン台風から75年の歳月が過ぎ、稼働整備や堤防整備、治水ダムの建設などが続けられていますが、洪水は過去の出来事ではありません。
7年前の2015年、「平成27年9月関東・東北豪雨」が県内を襲い、常総水害をもたらしました。常総水害は、常総市上三坂地区の鬼怒川堤防が決壊、若宮戸地区では越水し、市域の約3分の1に当たる約40平方キロが浸水、5000棟以上が全半壊しました。多くの市民が逃げ遅れ、災害関連死を含め15人が亡くなりました。全国から動員されたヘリコプターが、浸水した住居から住民をつり上げて救出するテレビ映像は、瞼に焼き付いています。
また2019年10月、「令和元年東日本台風」では、台風19号が大型で強い勢力を勢力を保ったまま関東地方を縦断。茨城県内では、久慈川の国管理区間で3力所の堤防が決壊。那珂川では国管理区間で3ヵ所が決壊しました。県内で、全壊146件、半壊1590件、一部破損1721件、床上浸水104件、床下浸水443件など、大きな台風被害を受けました。
「この国土に住む限り治水を疎かにしてはならない」との言葉の重さを改めて確認したい。