都道府県別人口ジニ係数:永太郎さん(@Naga_Kyoto)制作

 京都の大学院生・永太郎さん(@Naga_Kyoto)が、都道府県別の都市への集中を可視化した統計地図を、ツイッター上で公表しています。
 「都道府県の中でどれくらい人口が特定の市町村に集中しているかを示す地図を作りました。人口分布ジニ係数という指標を用いています。集中率1位は北海道。分散率トップは茨城県」と永太郎さんは説明します。
 永太郎さんは、人口分布ジニ係数という考え方で、都道府県の人口集中をランキング化しました。人口分布ジニ係数とは、集中・分散の度合いを測る指標のひとつです。「ジニ係数」という言葉は、国民の所得格差を表す指標としてなじみのある数値です。国土交通省はこのジニ係数の考え方を人口分布に応用して、市町村別人口を単位として、全国の人口分布の集中・分散の変化を数値化しています。「人口分布ジニ係数」は0から1までの値をとり、1に近いほど偏在(集中)、0に近いほど均一(分散)を表します。永太郎さんは、これを都道府県毎にまとめたものです。
 それによると、三大都市圏では比較的、人口が分散しているますが、北海道や高知県では特定都市への集中が顕著となっています。日本全体の人口分布ジニ係数は年々上昇しているようです。
都道府県別人口ジニ係数
 ツイッターのまとめサイトによると、永太郎さんは「知り合いに頼まれて日本の人口分布について調べていたことがきっかけです。東京一極集中の話はよく話題になりますが、では都道府県ごとに見るとどうなんだろうと思って制作しました」「福島県がかなり集中傾向の強い県という結果が出たことに驚きました。福島県というと福島市、郡山市、いわき市に分散しているというイメージがあったのですが、全体の人口で見るとその3つの市に人口が集中しており、その他の市町村との開きが大きいことがこうした結果に繋がったようです。反対に、北海道や高知県が集中的なのは予想通りでした」「茨城県民からの反応が多かったのが印象的ですね。茨城県の人口は水戸市、つくば市、日立市などいくつもの市に分散しており、今回の結果は地元民の感覚にもマッチしていたようです」などと、語っています。
(togetter https://togetter.com/li/1962529)。
 永太郎さんは2022年1月、統計地図をまとめた著作「統計から読み解く色分け日本地図」(彩図社)を出版しています。出生率や盛んな産業などさまざまな情報が可視化された力作です。ぜひ、ご興味のある方はぜひ手に取っていただきたいと思います。
都道府県別人口ジニ係数:永太郎さん(@Naga_Kyoto)制作
 日本一人口が分散している茨城県。県内どこでも住みやすいという茨城県特徴を活かした地域の活性化策を検討すべきです。人口が集約していないということは、地域間のパイプを円滑にする必要があるということです。道路、通信をはじめとする基盤整備は最重課題です。バス、鉄道などの公共交通網整備などを重点的に進めるべきです。