茨城県は、新型コロナの“第8波”感染拡大に対応するため、介護が必要な高齢の患者などにも対応が可能な臨時療養施設を、つくば市南原に整備しています。
12月27日、施設がほぼ完成したことをうけて、報道機関向けに公開されました。
施設は、移動式木造住宅「ムービングハウス」を活用し、15の病棟に200の病床が備えられていています。病棟の中のベッドやシャワー室なども整備されています。
施設の運用期間は、当初2か月程度を予定しています。医師2人と看護師およそ30人が常駐するほか、介護が必要な高齢の患者を想定し日中には15人ほどの介護士が対応にあたります。医療従事者は27日までに全員確保でき、主に県外の首都圏から通勤してきます。
この施設の利用対象となるのは、重症ではないものの、酸素投与や点滴の治療が必要で経過観察が必要な患者です。
また、施設ではドライブスルー方式の臨時の発熱外来の運用も、1月10日から始める予定で1日に300件ほどの外来に対応できる見込みです。
NHKの取材に答えて、茨城県感染症対策課の山口雅樹課長は、「年末年始の休み明けには、感染者がかなり増えることが想定され、入院患者が増えると既存の医療機関がひっ迫してしてしまう。ここで200人受け入れることで、医療機関のひっ迫を緩和し、県民の皆さんの安心につなげていきたい」「(ムービングハウスを使った臨時療養施設は)体育館などに設ける臨時の医療施設とは異なり、快適な療養環境になっている」と話していました。
用地は日本財団が所有する土地を借用し、約5.7ヘクタールの敷地に、ムービングハウス5連結の病棟15棟(計200床)とナースステーション、事務局棟などで構成されています。
各病棟は1棟当たり面積145m2で、14床のベットが設置され、看護師が各棟に常駐します。ナースコール、バイタルモニターのほか、監視カメラなども設置され、入院患者の症状を見守ります。
入院希望者は、各保健所や県の入院調整本部を通して決定されます。入院期間は発症から10日間で、各1週間程度になります。入院中は食事が3食提供されます。入院中、症状が悪化した場合は、コロナ対応病院に転送されます。食事も含め入院に必要な費用はすべて無料です。
一方、発熱外来は、自家用車に乗ったままドライブスルー方式で新型コロナとインフルエンザの両方のPCR検査ができる施設となります。県の特設サイトから予約し、県民だれでも検査を受けることができます。1日300件程度の検査を想定しています。