熊本県球磨村ムービングハウス仮設住宅020
 2023年3月17日、神奈川県は、災害時における応急仮設住宅の供給体制を強化するため、移動型の木造住宅「ムービングハウス」の普及をめざす一般社団法人「日本ムービングハウス協会」と「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定」を締結しました。
 都道府県との協定締結は全国で10例目。併せて、横浜、川崎、相模原の県内3政令市とも防災協定を結びました。
 応急仮設住宅は、既存の民間賃貸住宅などを活用する「賃貸型」と、実際に住居を建築する「建設型」の2種類が主流です。建設型は用地確保や建設工事に時間がかかることが難点。また、居住性や使用後の資源再利用などにも課題があります。賃貸型は建設型に比べ、早く住居を確保できる一方、借りられる住宅が少ない山間地域などで、思うように確保できない問題があります。
 これに対し、ムービングハウスは、国際規格のコンテナと同規格でトラックなどで搬送できるため、最短2週間程度の短期間での建設が可能です。また、家具などを完備している“動く家”として山間地域などでの迅速な住宅確保が期待されています。
 災害発生時、県は被災した市町村と協会の調整役を担い、ムービングハウスの迅速な設置につなげます。今後、毎年実施する図上訓練などでムービングハウスの配置を想定した対応を盛り込む考えです。
新潟県村上市の仮設住宅

 神奈川県議会公明党の亀井貴嗣議員(神奈川県議会副議長)が、今年2月定例会の代表質問で、2018年7月の西日本豪雨で被災した岡山県でムービングハウスが初めて応急仮設住宅として活用されたことを紹介。「応急仮設住宅を供給する手段、選択肢を増やす観点から、ムービングハウスを活用していくべきだ」と求めるとともに同協会との早期協定締結を提案しました。
 私の主宰する一般社団法人地方創生戦略研究所は、全国の自治体と日本ムービングハウス協会との円滑な連携を図るため、防災協定の締結などを支援しています。
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