防災家バンク大豊展示場
 2023年6月1日、高知県大豊町に「防災家バンク大豊展示場」がオープンしました。また、一般社団法人日本ムービングハウス協会と大豊町(大石雅夫町長)は、同日付で「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定」および「包括連携協定」を締結しました。
 「防災家バンク大豊展示場」は、国内最大規模の応急仮設住宅の備蓄拠点です。近年、各地で頻発する豪雨災害や南海トラフ地震の懸念もあり、ムービングハウスと呼ばれるトレーラーで運べて現地で迅速に設置できる移動式木造住宅が注目されています。一般社団法人日本ムービングハウス協会は2018年以降、自治体及び国の要請を受け全国の被災地に150戸以上の応急仮設住宅を設置してきました。また、全国の自治体とも連携協定を進めています。
防災家バンク大豊展示場
 大豊町の展示場では、このムービングハウスを実際に見学することもできます。会場には12メートルの長さ、2.4メートルの幅、2.9メートルの高さを持つムービングハウスが並んでいます。これらの住宅は輸送用の40フィートコンテナと同じサイズで、トレーラーで運搬することが容易にできます。
 北海道千歳市に拠点を置く住宅メーカー「アーキビジョン21」が、この木造移動式住宅を開発しました。もともと北海道を中心に一般住宅や店舗、宿泊施設として広く活用されていたムービングハウスは居住性に優れ、プレハブ仮設住宅を建設するよりも迅速に避難生活を送れる利点があります。過去に、岡山県倉敷市や熊本県球磨村などで広く活用されてきました。この仮設住宅を供給する「日本ムービングハウス協会」は、災害時に自治体に供給するために全国に拠点を設けており、大豊町はそのうちの8番目の拠点となり、西日本では初めての拠点となります。
 大豊町は四国の中心部に位置し、高速道路が通っているためアクセスが良好です。南海トラフ地震で想定される津波等の影響も受けづらい場所です。九州豪雨の被災地で使用されていた約70戸のムービングハウスが熊本から大豊町に運び込まれ、災害に備えるための備蓄が行われています。最終的には約400世帯分のムービングハウスを備蓄する計画です。

大石雅夫大豊町長
 大豊町の防災家バンク大豊展示場は、地域の防災対策を一層強化するための重要な施設です。6月1日には、地元の大石雅夫町長をはじめ、町の担当職員も施設を視察しました。日本ムービングハウス協会の佐々木理事長は「今後も引き続き、各地域との連携を強化し、防災対策に取り組んでまいります」と語っていました。

【防災家バンク大豊展示場についての問い合わせ先】
株式会社アーキビジョン・ホールディングス
住所:高知県長岡郡大豊町川口2090
電話:0887-79-0268
一般社団法人日本ムービングハウス協会
電話:011‐885-6000