大煙突とさくら・SDGs
 私たちが住むこの地・日立には、「大煙突」と「さくら」という、二つの象徴的な宝物が息づいています。これらの存在は、100年の時間を経てもなお、私たちに貴重な教訓と感動を伝え続けています。
 100年前、日立は銅山開発の過程で煙害問題に直面しました。しかし、その困難に対抗するため、加害者である企業と被害者である住民が手を取り合い、相反する立場を超えた協力の結晶として、世界一高い煙突がそびえ立つこととなりました。これは、互いの立場を尊重しながら解決策を模索する姿勢が、一見不可能に見える問題さえも克服できるという証左でもあります。
 さらに、荒廃した山々にはオオシマザクラをはじめとする約一千万本の木々が植林され、街並みにはソメイヨシノの美しい花びらで彩られました。これらは、「人と自然と産業の共存」を具現化した歴史的な成果と言えるでしょう。
 これらの取り組みの根底には、「一山一家」の思想が流れています。そして、この思想は、SDGsの基盤である「誰一人取り残さない」という誓いそのものと重なります。
 SDGsは、国連サミットで採択された17の項目からなる世界共通の開発目標です。
 大煙突とさくらのまち、日立の100年の歴史は、SDGsの目標、「8.働きがいも経済成長も」、「11.住み続けられるまちづくりを」、「12.つくる責任つかう責任」、「15.陸の豊かさを守ろう」といった目標に繋がっています。そして、煙突建設の道のりや緑を復活させた過程は、まさに「17.パートナーシップで目標を達成しよう」という目標の体現に他なりません。
 SDGsという概念がまだ存在しなかった時代に、日立はすでにSDGsの教科書とも呼べる偉業を成し遂げていたのです。大煙突とさくらのまち、日立の歴史は、私たちが誇りに思うべきSDGsの成功例と言えます。この地から、未来に向けて、持続可能な社会を創造し続けるという強い意志を世界に発信してまりましょう。

220714SDGsパネル_住民の生活

220714SDGsパネル_住民との協働

220714SDGsパネル_住み続けられるまちづくり

220714SDGsパネル_技術革新_2