
マイナンバーカードを巡るトラブルが相次いでいます。岸田政権の命運をこのマイナカードが握っているという報道さえあります。
マイナンバー制度は2016年から運用が始まりました。国内の全ての住民に12桁の番号が割り当てられています。生まれたばかりの赤ちゃんにも自動的に付番されます。現在、マイナンバーは社会保障や税、災害対策の分野で活用され、事務手続きの効率化につながっています。健康保険証や医療費、児童手当など計29項目の情報がマイナンバーにひも付けられています。
一方、マイナカードは、顔写真付きのプラスチック製カードで取得は任意です。表面に氏名や住所、生年月日、裏面にナンバーが記載されており、「本人確認証」として利用できます。ICチップが入っており、カード取得者向けの「マイナポータル」で、ナンバーにひも付いた29項目の情報を閲覧できます。
このため政府は、カードをデジタル社会に必要なツールとして普及を進めています。カードの利便性も向上しており、例えば、コンビニで住民票などの交付サービスが受けられます。転居などの行政手続きもオンラインで済ませられます。
また24年秋には、紙の健康保険証が廃止され、「マイナ保険証」としてカードに一本化されます。診療記録などを引き出すことができ、より良い医療につながります。もちろん、カードを持たない人や認知症の人など持つことが困難な人に対しては、引き続き保険診療を受けられるよう、プッシュ型で「資格確認書」が交付される予定です。
今、カードを巡るトラブルが相次いでいますが、ほとんどが人為的なミスによるものです。具体的にどのような問題が起きているかを整理してみました。
1.のコンビニ交付サービス以外は、人為的なミスといって良いと思います。コンビニ交付システムの問題は、特定のメーカーのシステムにバグがあったようです。速やかなシステム改修が必要です。
3.の公金受取口座のご登録問題は、少し根が深いかもしれません。そもそも、マイナンバーカードには、カタカナの氏名データ(ふりがな)は登録されていません。というよりも、戸籍自体にフリガナの項目がないのです。法務大臣の諮問機関である法制審議会は、今年2月、全国民の戸籍の氏名に読み仮名をつける戸籍法改正の要綱案をまとめました。2024年度に予定されている改正法施行から1年以内に、戸籍を持っている人は全員、本籍地や住民票がある地方自治体の役所で読み仮名を申請することになります。この改正が行われるとマイナンバーにカタカナのフリガナが加わる見込みです。
不安からカードを返納する人もいますが、マイナンバー制度自体のシステム自体が問題ではないため、返納してもトラブルは解決しません。個人に振られたマイナンバー自体もなくなりません。
政府は今秋までにデータやシステムを総点検し、再発防止の仕組みを作る方針です。
マイナ保険証を巡り医療費が10割請求される問題も、8月までには3割など必要な自己負担で保険診療が受けられるよう改善されます。
国民の不安払拭に向けて、政府はトラブルの再発防止に全力を挙げてもらいたいと思います。安全・安心で便利なマイナンバー制度を目指すべきです。
- コンビニ交付サービスでの誤交付:コンビニでマイナカードを使って住民票の写しや戸籍証明書などを交付するサービスにおいて、別人の証明書が発行された(4自治体で14件)。原因は、システムの不具合とされる。
- マイナ保険証の誤登録:マイナカードと保険証を紐づけ登録する際に、別の人の情報が登録された。原因は、健康保険を運営する組合などが、加入者の健康保険証とマイナカードを紐付ける際に入力を誤ったと考えられる人為的なミス。「あまりに申請の住所と住民票の登録住所の不一致エラーが多く生じるため、住所が一致しなくても生年月日などが同一なら同一人物とみなして作業を進めていた」などといった、マニュアルを逸脱した処理が常態化していた。
- 公金受取口座の誤登録:他人の公金受取口座が誤ってマイナカードに紐付けられて登録された。原因は、自治体の窓口で直前に利用した人が画面をログアウトせず、次の人が手続きを行ったため。しかもマイナンバーには氏名のふりがなの登録がないことから、ふりがなが登録されている金融機関の口座とシステム上、照合ができないためにこの人為的なミスに気づかなかった。また、確定申告の還付金の受取口座を登録する方法の際、国税庁において登録申請者を同姓同名の別人と取り違えたことにより誤登録された。なお、本来は本人名義の口座でないとダメなのに、家族名義の口座が約13万件登録されていた。例えば、幼い子どもの還付金口座を保護者の口座に登録していた事例など。
- マイナポイントの誤付与:マイナポイントが、誤って他人に付与された。原因は、自治体のポイント申し込み窓口で登録する際、前の人がログインしたままの画面で申し込みをしたため、前の人のカードの情報と自分が登録する決済サービスがひも付いたため。
- マイナポータルでの他人の年金記録閲覧:マイナポータルで他人の年金記録が閲覧できてしますケースが地方公務員らが加入する共済組合で1件確認された。原因は、人為的な入力ミスとみられる。
1.のコンビニ交付サービス以外は、人為的なミスといって良いと思います。コンビニ交付システムの問題は、特定のメーカーのシステムにバグがあったようです。速やかなシステム改修が必要です。
3.の公金受取口座のご登録問題は、少し根が深いかもしれません。そもそも、マイナンバーカードには、カタカナの氏名データ(ふりがな)は登録されていません。というよりも、戸籍自体にフリガナの項目がないのです。法務大臣の諮問機関である法制審議会は、今年2月、全国民の戸籍の氏名に読み仮名をつける戸籍法改正の要綱案をまとめました。2024年度に予定されている改正法施行から1年以内に、戸籍を持っている人は全員、本籍地や住民票がある地方自治体の役所で読み仮名を申請することになります。この改正が行われるとマイナンバーにカタカナのフリガナが加わる見込みです。
不安からカードを返納する人もいますが、マイナンバー制度自体のシステム自体が問題ではないため、返納してもトラブルは解決しません。個人に振られたマイナンバー自体もなくなりません。
政府は今秋までにデータやシステムを総点検し、再発防止の仕組みを作る方針です。
マイナ保険証を巡り医療費が10割請求される問題も、8月までには3割など必要な自己負担で保険診療が受けられるよう改善されます。
国民の不安払拭に向けて、政府はトラブルの再発防止に全力を挙げてもらいたいと思います。安全・安心で便利なマイナンバー制度を目指すべきです。