2023年10月26日から11月5日まで、東京ビッグサイトで「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパン・モビリティショー2023)」が開催されています。従来の「東京モーターショー」からバージョンアップされ、自動車業界の枠を超えて、他産業やスタートアップ企業なども含め、日本のモビリティの新しい可能性をみせてくれる一大イベントとなっています。
 9月に開催された「ぼうさいこくたい2023」で、ご縁をつないだトヨタ自動車の社会貢献推進部の方のご紹介で、初めてモビリティーショーを視察しました。

モバイルトイレ
 華やかなトヨタのブースから離れた西館の隅の方に、目的のモバイルトイレは展示されていました。
 外出や旅行先で「トイレがあるのか?」と心配する障がい者は多いと思います。そんな声に応え、トヨタが出展したのが、スロープが付いたトレーラー型のトイレ。移動型バリアフリートイレトレーラー「MOBILE TOILET(モバイルトイレ)」です。
モバイルトイレ
 モバイルトイレは、トレーラー部分の重量が750kgに抑えてあるため、普通免許でけん引ができます。
 トイレ部分は、全長3m×全幅1.89m×高さ2.27m。電動車いすも転回できる直径約1.5mのスペースを確保しています。
 スペースの節約とトイレの容量確保のため、新幹線のトイレと同じ方式の真空式トイレを採用しています。便座はユニバーサルデザインの前広便座を採用。オストメイトの使用などを考慮し、排せつ物を流せる構造となっています。
 投入口の大きなゴミ箱を便器横に設置しています。
 トイレの反対側には、大人のおむつ替えにも対応する大型ベッド・ユニバーサルシートを装備しており、未使用時は壁に立掛けてスペースを確保しています。
 トイレは温水洗浄便座、冷房専用エアコンも完備しています。

 そして、なんといっても最大の特徴は、トイレ自体が超低床フロア仕様になっていること。今までもトレーラートイレは、様々なメーカーが販売していますが、いずれのトイレカーよりも床面の低さを実現しています。これに幅900mm、長さ約5.2mの折り畳みができるスロープを装備し、傾斜角5度という、電動車いすで自走できる移動式トイレを実現しました。移動時は、トレーラー後方に収納できるようにするとのことです。

モバイルトイレ
 使用電源は、トイレ自体で1500w、温水洗浄便座機能に1500w、エアコンに1500wを使用します。今回の展示では、トヨタのRAV4にけん引されており、車両から1500wの給電を受け、外部電源から残りは接続することになります。
 水タンクは100回の使用が可能な90リットルを搭載しています。排泄物のタンクも100回分の容量を持っており、直接ホースなどで吸引するか、バキュームカーで回収します。
 当然、電源は家庭用コンセントへの接続することもでき、上下水道への直結も可能です。

 キャンプ場やイベント会場への設置を想定していますが、災害発生時等の避難所でも活躍すると期待しています。
 このモバイルトイレは、2024年春以降の販売開始を目指しています。
参考:TOYOTAモバイルトイレの公式HP