
茨城県龍ケ崎市とつくば市では、今年6月2日と3日に降った大雨によって、計3箇所の越水が発生し、八間堰周辺では住宅の浸水被害や広範囲にわたる水田への被害が出ました。この度、県の検証委員会による調査により、堤防の沈下が水害の原因であると結論付けられました。
今後は、この問題に対する対策として、地盤沈下を踏まえた堤防のかさ上げや調整池の整備が検討されることになります。
検討委員会では、県が牛久沼上空から行ったレーザー測量の結果を報告。地盤変動により、越水した3カ所を含む計6カ所で堤防が最大68〜29cm沈下していたことが判明しました。堤防の各地点で、想定できる最大水位を下回り、越水につながったと結論付けました。
検証委員会の委員長・筑波大学武若聡教授は、地盤沈下の監視は困難な作業であるものの、今後の対策にはこの観点から注意を払う必要があるとの見解を示しています。また、県河川課長は、従来の目視による点検では地盤の沈下に気づかなかったと述べ、牛久沼以外の地域でも堤防の沈下をチェックするための対策を考えていきたいと語っています。
また、県が実施した浸水シミュレーションの結果では、当時、下流部で行われていた「八間堰」の改修工事を実施していない場合と比べても、浸水範囲の合計面積は2%、浸水した平均の深さは5cmの差にとどまると指摘。さらに、取手市双葉地区への影響も見られなかったとしました。
検証委員会は、牛久沼の越水問題に対するハードおよびソフトの両方の対策を、12月の第3回会合で議論する予定です。委員会では、今回の事態を教訓に、堤防のかさ上げや連絡体制の強化など、より効果的な越水防止対策を検討していく見込みです。
検証委員会は、牛久沼の越水問題に対するハードおよびソフトの両方の対策を、12月の第3回会合で議論する予定です。委員会では、今回の事態を教訓に、堤防のかさ上げや連絡体制の強化など、より効果的な越水防止対策を検討していく見込みです。