日立市内住民の後期避難計画
 11月5日、東海第二発電所での事故発生を想定した広域避難訓練が、日立市南部地区で行われました。今回の訓練では、坂下・久慈・大みか学区の住民が参加して、実際の避難先となる福島県までバスや自家用車で避難しました。また、避難する際に支援が必要となる人の移送訓練や児童の学校単位での避難、避難先での保護者引き渡し訓練なども実施されました。

 日立市は全域が東海第2から半径30キロ圏内(UPZ圏内)となります。人口は約17万人で、人口は30キロ圏内の14市町村で水戸市に次ぐ規模です。
 日立市では東海第二発電所での事故を想定した「広域避難計画」の策定を進めています。素案によると、東海第二原発の過酷事故の際は、福島県内に避難することになっています。小学校区単位の地区ごとに福島県内17市町村の避難先が割り振られています。住民は設定された4つのルートから、最初に福島県内の避難中継所を目指します。中継所では、福島県の各市町村内の避難所を指定することになります。
 避難は原則マイカーを利用します。国道6号などの幹線道路から常磐自動車道に入るか、県道で常陸太田市方面に向かい、国道349号を北進して東北自動車道を使うかして福島県内に避難します。学区ごとに4つのルート(日立中央ICから常磐道、日立北ICから常磐道、高萩インターから常磐道、国道349経由で東北道)が設定されています。
避難先の体育館
 今回の広域避難訓練は、原発の燃料プールから冷却水が漏れて水位が低下するトラブルが発生し、住民の避難が必要になったという想定で行われました。原発から5キロ圏内(PAZ)の坂下、久慈、大みかの3地区の住民約260人と、市役所職員、市議会議員や原電関係者らが参加しました。素案では、坂下地区、久慈地区はいわき並び小野町に、大みか地区は田村町に避難する計画となっています。
日立市は市役所に災害対策本部を設置。PAZ区域内の要支援者に対する避難準備情報の伝達。市内全域の学校や保育園について子どもの保護者への引き渡し。屋内退避開始の連絡手順など、具体的な対応を確認しました。
 5キロ圏内にある坂本小学校では、体育館に集まった児童に、市職員が安定ヨウ素剤に見立てたあめを配りました。周辺の一般住民も含め約60人が2台のバスに乗り込み、避難所にしてされている約80キロ離れた福島県いわき市に向いました。順調に移動し目的地となる公民館や体育館などの避難中継所に1時間半ほどで到着しました。

 今回の避難訓練では、高速道路がスムーズに通行できましたが、地震などの大規模災害時には道路自体が通行できなくなる可能性があります。実際、東日本大震災の際は、復旧までに6日間を要しました。トンネルや高い橋梁が連続する常磐道日立南太田ICから日立北IC間を高速道路1本しか避難道路がない状況は安全・迅速な避難は出来ません。
 さらに、今回はバスでの避難訓練となりました。大規模災害時に多くの住民を避難させるためのバスを確保できるかは大変大きな課題です。近年バスの運転手確保が問題となっています。一方、高齢化が進む中で、自家用車での高速道を使った避難も簡単ではない住民も多くなっています。
 東海第二原発の再稼働には、避難体制の整備が必要不可欠です。福島県への避難ルートだけではなく、太田方面から栃木方面への新たなルートを高規格道路で整備するような、抜本的な発想の転換が必要です。それができな状態での再稼働は認められません。

(写真は日立市議会議員三代勝也さんからご提供をいただきました)