東海第2原発 11月28日茨城県は、日本原子力発電東海第2原子力発電所(東海村:東海第2原発)で、深刻な事故が起きた場合に放射性物質がどのように拡散するかの予測を初めて公表しました。安全装置が機能するかどうかや気象条件の違いにより、拡散状況を22通りでシミュレーションし、避難が必要な地域や人数を示しました。
 日本原子力発電が再稼働を目指す東海第二原発は首都圏唯一の原発で、30キロ圏内の人口は91万人あまりと、全国で最も多くなっています。
 重大な事故が起こった際には、原発から5キロ圏内の「PAZ」区域では、対象となる6万4451人が原則、放射性物質が放出される前に、避難することになっています。
 これに加え30キロ圏内の「UPZ」区域では線量が1時間あたり20マイクロシーベルトを超えた場合は1週間以内に避難することになっていて、県は、その対象人数を試算しました。
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 シミュレーションは、原子炉を冷やすために必要な代替電源など一部の非常用設備が使えた場合の「シミュレーション機廚函高台に設置されたポンプ車以外は何も使えない「シミュレーション供廚鮴瀋蠅靴泙靴拭I向きや降雨の継続時間などの気象条件を変え、それぞれ11通りずつ計22通りを作成しました。
 30キロ圏内の「UPZ」区域の避難対象が最も多かったのは、南西方面に風が吹き続き雨が降り続いた場合で、ひたちなか市で7万1609人、那珂市で3万3582人の合わせて10万5191人でした。
 次いで多かったのは、北方面に風が吹き続いた場合で、日立市で9万2085人、南西方面に風が吹き続いた場合で、水戸市で5万8991人、ひたちなか市で2万3464人の合わせて8万2455人、西方面に風が吹き続き雨が降り続いた場合で、那珂市で3万8078人、ひたちなか市で2万6712人の合わせて6万4790人、北西方面に風が吹き続き雨が降り続いた場合で、常陸大宮市で2万107人、那珂市で1万3000人、常陸太田市で1万341人の合わせて4万3448人、南方面に風が吹き続いた場合で、ひたちなか市で1万9270人、弱い風が吹き続いた場合で、那珂市で9872人、常陸太田市で8217人の合わせて1万8089人、北西方面に風が吹き続いた場合で、常陸太田市で8217人、那珂市で3342人の合わせて1万1559人となっています。

 東海第二原発では、福島第一原発の事故の教訓を踏まえ、現在、安全対策工事が行われています。複数の電源や注水ポンプの分散設置、それに、事故の際に、放射性物質を取り除いて容器内の気体を放出できる「フィルター付きベント」という装置の設置が進められています。今回、「フィルター付きベント」などの設備が機能した場合の別のシミュレーションも同時に公表されました。その場合は「UPZ」区域では避難は必要ないという結果になりました。
 一方、今回のシミュレーションは常設の電源や注水ポンプ、それに「フィルター付きベント」などの複数の安全対策設備が一斉に機能を失う、最悪の事態を想定しています。これについて日本原電は、「工学的に考えにくい」としているほか、第三者機関の検証では「このような事態が想定されるのは、いん石の落下やミサイルなどが考えられ、可能性を否定することはできないが、敷地内の設備が一斉に機能を喪失する事態はおよそ考えにくい」としています。

 東海第2原発の拡散シミュレーションは、原発事故の影響を理解し、適切な避難計画を策定するための重要な一歩となりました。しかし、まだ解決すべき課題が多く、これからの取り組みが注目されます。

 茨城県は、この拡散シミュレーション試算に基づき、「30km周辺(UPZ区域)まで避難・一時移転の対象となる区域が生じるように仮想条件をあえて設定した場合(シミュレーション供法廚砲いて、避難対象人数を試算しました。

参考:放射性物質の拡散シミュレーション実施結果について
https://www.pref.ibaraki.jp/bousaikiki/genshi/kikaku/kakusansimulation.html

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