日立市小木津山公園
 令和6年 明けましておめでとうございます。
 昨年は、社会的には大きな変革の波が押し寄せた一年でした。
 朝日新聞の大晦日の社説は、こうした変化をカンブリア爆発と生成型AIの登場という視点から綴っています。
 冒頭には、日立市郷土博物館の田切美智雄先生(茨城大学名誉教授)が発見した、日本最古のカンブリア紀の地層の話しが登場しました。
この部分を引用します〜〜
 高台の公園から、太平洋と長い海岸線が見渡せた。
 遊園地や動物園があり、茨城県日立市民の憩いの場となっている。一角に「日本最古(5億年前)の地層の上にある『かみね公園』」と書かれた看板が立っていた。
 この地層は、近くの小木津山自然公園や常陸太田市にかけて広がる。海の底で堆積(たいせき)したとき、日本列島は、まだない。超大陸ゴンドワナが存在したとされるころだ。
 5億年前とわかったのは2008年のこと。茨城大学名誉教授の田切美智雄さん(78)らの研究チームが解明した。田切さんは「長年、みんなが見ていたのが日本最古の地層だった」と話す。
 5億年前はカンブリア紀という時代だ。この時期、地球に様々な生物が急激に出現した。生命史上の大変革「カンブリア爆発」と呼ばれる。
 今日は大みそか。地質学スケールでは1年は一瞬だけれど、いろんなことがあった。
 コロナが一段落し、野球や将棋の快挙にわくわくした。ジャニーズやビッグモーター、自民党の裏金の問題が表面化した。クマの人的被害が相次ぎ、観測史上最も暑い年としても刻まれそうだ。
(朝日新聞社説2023/12/31)
カンブリア爆発のイメージ
 昨年の出来事の中では、生成型AIの普及と進歩は、非常にインパクトがある出来事でした。
 カンブリア爆発の起因として挙げられる生物の眼(感覚器)の誕生と、21世紀の技術革新の象徴である生成型AIの出現を関連付けて考えることは、自然界と技術界における進化の過程を理解する上で非常に興味深い視点を提供します。
 約5億4千万年前に起きたカンブリア爆発は、生物進化の歴史の中で最も劇的な多様化の時期の一つです。この時期に多くの動物門が出現し、生物の体型や生態系が大きく変化しました。特に、生物の眼の誕生はこの変革の重要な要因とされています。視覚能力の獲得により、生物は環境をより詳細に認識し、捕食、逃避、生存戦略を大きく進化させることが可能になりました。視覚の出現は、生物進化における情報処理能力の飛躍的な向上を意味しています。
 一方で、近年急速に発展した生成型AIの技術は、デジタル情報処理の領域における同様の進化を表しています。このAIは、テキスト、画像、音声などのデータから新しいコンテンツを生成する能力を持ち、創造的な作業における人間の能力を拡張しています。生成型AIの出現により、人工知能は単なるデータ処理から、より複雑で創造的なタスクを実行する段階へと進化しました。
 カンブリア爆発時の眼の誕生と生成型AIの出現は、まさにそれぞれの領域において情報処理能力の大幅な向上を象徴しています。自然界では、眼の進化が生物に複雑な環境認識能力をもたらし、生存競争と生態系の多様化を促しました。技術界では、生成型AIの出現が情報の解釈と創造の仕方を根本的に変え、新たな産業や文化的な展開を生み出しています。

 こんな思いを感じながら、2024年新たな年は、自分の居場所でAIを身近に感じられる取り組みに挑戦してみたいと思います。
ChatGPTを操るキャバリア
※カンブリア爆発とChatGPTを操るキャバリアのイラストは、ChatGPT DALL-Eで描きました。