輪島市キリコ会館仮設住宅
 2月2日、今回の能登半島地震で最も大きな被害を受けた輪島市を訪問。移動式木造住宅ムービングハウスを活用した仮設住宅の建設状況を調査しました。
 石川県内では、およそ4万8000棟の住宅で被害が確認され、県は仮設住宅の建設を進めています。
 その中でも、もっとも早く完成し、明日2月3日から被災者の入居が始まる輪島市中心部のキリコ会館多目的広場を訪れました。この日は、入居開始を前に仮設住宅が報道機関に公開され、坂口茂輪島市長も現場を視察しました。
 日本ムービングハウス協会が建設した仮設住宅は、最大で2〜3人が入れる2DKタイプが14戸、最大で7人が入れる4LDKタイプが4戸の合わせて18戸です。
 そもそも北海道の寒冷な自然に対応し設計、建設されたムービングハスは、厳しい寒さの中でも暖かく過ごせるよう、壁などに断熱材が使われているほか、オイルヒーターが設置され、窓ガラスは3重になっています。
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 輪島市内では、ほぼ全域で断水が続いていますが、この仮設住宅では外に貯水タンクが設置され、部屋の中でお湯や水(お風呂や温水シャワートイレ)を使える仕組みになっています。
 輪島市では、仮設住宅に約4000件余りの申し込みがあり、その第一陣としてこの仮設住宅には、18世帯55人が入居します。仮設住宅は、災害救助法に基づき被災者が住宅を確保するまで自治体が無償提供し、原則2年入居できます。状況によっては、入居できる期間も延長されます。
 視察の後、報道陣のインタビューに答えた坂口市長は「生活環境は仮設住宅といえど、十分に配慮されている」「一日も早く、水、住まいを確保して日常を取り戻し、復旧復興に向けて取り組んでいきたい」などと語りました。
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 1月12日に着工し、2月3日に入居という20日間余りの超短期間での作業完了には、驚かされました。特に、合併浄化槽や貯水タンクまで整備しての引き渡しです。一般住宅にも水道が通水していない状況で、仮設住宅で平常の生活が確保できることは素晴らしいと思います。
 仮設住宅の建設に当たった作業員は、「全員が18日間現場の作業小屋やキャンピングハウスに、泊まり込んで工事を進めました」と話していました。
 ドローンでの撮影は東京航空局の許可のもと、石川県などの指導のもとで行いました。