
さくらのまち日立の近代史を俯瞰した小冊子「大煙突とさくらのまち」読本が、3月1日から全文ネットで公開されました。
市民ボランティア・大煙突とさくら100年プロジェクトは、「大煙突とさくらのまち」読本を令和4年度茨城県企業連携型NPO支援事業で制作し、日立市内の小中学校、県内の図書館、関係諸団体に無償配布しました。今回、より多くの方に読んでいただきたいとの思いで、令和5年度同事業の補助を受け、インターネット上に全文を公開しました。
日立市は日立鉱山の銅鉱石の採掘と精練で発展したまちです。日立には100年前に起きた煙害問題を、企業と地域住民たちが、真摯に向き合い、話し合いを重ね、「人と自然と産業の共存共栄」の精神で、解決したという歴史があります。
この史実は、昭和を代表する作家・新田次郎により小説『ある町の高い煙突』に描かれ、ベストセラーとなりました。小説『ある町の高い煙突』は 急速な経済発展と高度成長期の中で、公害問題が多発した1960年代後半に出版されました。当時は、公害問題が社会的な問題として意識が高まってきた時代でした。
昭和から平成・令和を経て、2019年にこの小説を原作とする映画「ある町の高い煙突」が制作されました。松村克弥監督のもと、茨城県、日立市や企業、市民のみなさんなどの応援を得て制作されこの作品は、全国でロードショー公開され、海外の映画祭などでも好評を博しました。
映画化をきっかけに、100年前にSDGsにつながる「大煙突とさくらの物語」があったことを多くの人たちに伝え、活動をしていこうというボランティが誕生。「大煙突とさくら100年プロジェクト」が立ち上げられました。
このプロジェクトでは、子どもたちや次世代を担う人たちに、わかりやすく100年前の誇るべき史実を伝えるため、紙芝居『大煙突とさくらのまち』を制作しました。「紙芝居から始まる地域活動」を行っています。紙芝居に続き、「大煙突とさくらの物語がなぜ実現したか」、「現在にどうつながっているか」、「未来にどう活かせるか」について詳しく学べるよう、小冊子「大煙突とさくらのまち読本」が制作されました。
この冊子は、一冊1000円で販売されていますが、インターネットでも全文が読めるようになりました。なお、一部著作権の関係で写真やイラスト、図などが公開できない資料もあります。
冊子版は1000円で販売しています。以下のリンクをご利用下さい。https://bit.ly/49umzn2
【大煙突とさくらのまち読本 目次】

日立には、100年も前に日立鉱山で起きた煙害問題を、企業と地域住民たちが、真摯に向き合い、話し合いを重ね、「人と自然と産業の共存共栄」の精神で、解決したという歴史があります。
この史実は、昭和を代表する作家・新田次郎により小説『ある町の高い煙突』に描かれ、ベストセラーとなりました。小説『ある町の高い煙突』は 急速な経済発展と高度成長期の中で、公害問題が多発した1960年代後半に出版されました。当時は、公害問題が社会的な問題として意識が高まってきた時代でした。
昭和から平成・令和を経て、2019年にこの小説を原作とする映画「ある町の高い煙突」が制作されました。松村克弥監督のもと、茨城県、日立市や企業、市民のみなさんなどの応援を得て制作されこの作品は、全国でロードショー公開され、海外の映画祭などでも好評を博しました。
映画化をきっかけに、100年も前に日立でSDGsにつながる「大煙突とさくらの物語」があったことを多くの人たちに伝え、活動をしていこうという声が出てきました。100年前の誇るべき物語を100年先に伝え、この物語をベースに日立の未来を描き実現していこうと、わたしたちは「大煙突とさくら100年プロジェクト」を立ち上げました。
このプロジェクトでは、子どもたちや次世代を担う人たちに、わかりやすく100年前の誇るべき史実を伝えるため、紙芝居『大煙突とさくらのまち』を制作しました。「紙芝居から始まる地域活動」を行っています。
紙芝居に続き、「大煙突とさくらの物語がなぜ実現したか」、「現在にどうつながっているか」、「未来にどう活かせるか」について詳しく学べるよう、小冊子「大煙突とさくらのまち読本」を制作しました。この小冊子が、日立の今を新たな視点から豊かに味わい、日立のワクワクする未来を考えるベースとなってくれることを願っています。
大煙突とさくらのまち読本
発行:大煙突とさくら100年プロジェクト
発行日:2023年3月1日
体裁:B5版、88頁
この冊子は、「令和4年度茨城県企業連携型NPO活動支援事業」を活用し、「AYA’S LABORATORY」のご協力によって制作されました。
冊子版は1000円で販売しています。以下のリンクをご利用下さい。
https://bit.ly/49umzn2
- はじめに
- 主な登場人物
- 大煙突とさくらのまち(歴史を知ること/私たちの暮らすまちの歴史/日立の山に大煙突あり/大煙突はまちづくりの原点/桜塚にさくらのまちの原点をみる/大煙突とさくらは未来をつくる)
- 日本最古の地層から宝が出る山(日本最古の地層/日立の山での鉱山開発)
- 別荘地だったまち(常世の国/常磐線の開通/別荘地としての発展)
- 日立鉱山創業(久原房之助、秋田の小坂鉱山を再生/日立鉱山創業/日立鉱山発展の要因)
- 【コラム】銅ってどんな金属?
- 【コラム】銅鉱石から銅へ
- 本山に理想都市を 一万人が暮らすまちに(東北や茨城北部から日立へ/一山一家と日立気風/日立鉱山はオラがヤマ/本山に理想鉱山都市づくり/鉱山生活のインフラ整備/家賃も電気も水道もみんなタダ/なんでも揃った供給所/最盛期には一万人が住んだ本山/本山劇場の建設/本山劇場は日立の文化活動の原点/日立鉱山の山中友子)
- 大雄院製錬所に移り規模を拡大(製錬所を大雄院に移し規模を拡大/天童山大雄院の移転/塵外堂/鉱山電車)
- 【コラム】信念と挑戦の人 小平浪平
- 煙害発生(煙害とは/被害の範囲/被害を受けた農作物や樹木)
- 鉱山との協力(富国強兵のためには犠牲やむなしの風潮/足尾銅山の鉱毒事件/日本の公害解決の第一号/話し合いによる解決の覚悟/科学的手法に基づく対応)
- 【コラム】誠実な記録者 関右馬允
- 煙害解決への模索(農事試験場/気象観測所の設置/調査及び科学的データに基づく煙害の補償/煙道・煙突の設置)
- 大煙突の建設、もうひとつのプロジェクトX(大煙突建設を決意/大煙突の設計/大煙突の施工/評価)
- 煙害問題の解決(大煙突の使用開始/大煙突建設の効果/補償金の減少/完成後も気象条件により煙害が発生/気象観測に基づく制限溶鉱/硫酸工場の建設でほぼ解決)
- 【コラム】日本の産業史を彩る4大銅鉱山
- 一千万本の植林(荒廃した山々に500万本の植林/無料配布された513万本の苗木/オオシマザクラからソメイヨシノへ、そして山からまちへ)
- 【コラム】オオシマザクラとソメイヨシノ
- 共楽館の建設(鉱山と地域の共生「共に楽しむ館」/歌舞伎座を模して鉱山技師が設計・施工/時代と共に変わる共楽館の使われ方/子どもたちの文化体験/職場対抗・家族ぐるみの素人芝居/第二次世界大戦中の共楽館/戦後の共楽館)
- 戦災を乗り越え工業都市へ(工業都市日立と戦災/終戦と復興、新しい日立の発展をめざして)
- 閉山と大煙突の倒壊(日立鉱山の閉山/閉山後の本山/大煙突の倒壊)
- さくらのまち日立へ(市民が植えたまちのさくら/市民が支えるさくらのまちづくり)
- 【コラム】日立風流物
- 【コラム】久原房之助のその後の活動
- 大煙突とさくらのDNAが現在につながる(大煙突は日立のシンボル/努力と挑戦、闘いの日々/公害の問題と克己の力/日本の鉱業発展のための一試験台/科学や技術の力と自然の教え/農場の片隅にオオシマザクラの苗木/人を育て、自然を育て、まちを育てる)
- 【コラム】日立鉱山の人づくりと教育
- 【コラム】日立鉱山は都市鉱山へ
- より深く学ぶために(おすすめの本/おすすめの場所)
- 大煙突マップ
- おすすめコース:実際に歩いてみよう!(共楽館から大煙突ビューポイントへ/オオシマザクラを訪ね神峰山へ/鉱山電車の線路跡をたどる/本山の鉱山町の跡を訪ねる)
- 編集後記

日立には、100年も前に日立鉱山で起きた煙害問題を、企業と地域住民たちが、真摯に向き合い、話し合いを重ね、「人と自然と産業の共存共栄」の精神で、解決したという歴史があります。
この史実は、昭和を代表する作家・新田次郎により小説『ある町の高い煙突』に描かれ、ベストセラーとなりました。小説『ある町の高い煙突』は 急速な経済発展と高度成長期の中で、公害問題が多発した1960年代後半に出版されました。当時は、公害問題が社会的な問題として意識が高まってきた時代でした。
昭和から平成・令和を経て、2019年にこの小説を原作とする映画「ある町の高い煙突」が制作されました。松村克弥監督のもと、茨城県、日立市や企業、市民のみなさんなどの応援を得て制作されこの作品は、全国でロードショー公開され、海外の映画祭などでも好評を博しました。
映画化をきっかけに、100年も前に日立でSDGsにつながる「大煙突とさくらの物語」があったことを多くの人たちに伝え、活動をしていこうという声が出てきました。100年前の誇るべき物語を100年先に伝え、この物語をベースに日立の未来を描き実現していこうと、わたしたちは「大煙突とさくら100年プロジェクト」を立ち上げました。
このプロジェクトでは、子どもたちや次世代を担う人たちに、わかりやすく100年前の誇るべき史実を伝えるため、紙芝居『大煙突とさくらのまち』を制作しました。「紙芝居から始まる地域活動」を行っています。
紙芝居に続き、「大煙突とさくらの物語がなぜ実現したか」、「現在にどうつながっているか」、「未来にどう活かせるか」について詳しく学べるよう、小冊子「大煙突とさくらのまち読本」を制作しました。この小冊子が、日立の今を新たな視点から豊かに味わい、日立のワクワクする未来を考えるベースとなってくれることを願っています。
大煙突とさくらのまち読本
発行:大煙突とさくら100年プロジェクト
発行日:2023年3月1日
体裁:B5版、88頁
この冊子は、「令和4年度茨城県企業連携型NPO活動支援事業」を活用し、「AYA’S LABORATORY」のご協力によって制作されました。
冊子版は1000円で販売しています。以下のリンクをご利用下さい。
https://bit.ly/49umzn2