小木津山自然公園・いしくぼの滝
 日立市の北部、常磐道日立北ICに程近い場所に“小木津山自然公園”があります。この自然公園は、昭和46年4月、市民の憩いの場所として開設されました。総面積65ha、中央部にスイレンの池(中央園池)があり、アカマツの自然林、ナラ・クヌギの雑木林の中には遊歩道があり、気軽に森林浴を楽しめます。南北二つの展望台からは太平洋が一望でき、茨城県の子どもいきいき自然体験フィールド100選にも入っています。
 2008年入口の小さな滝で、日本の地質学会を震撼させる出来事が起こりました。茨城大学教授(当時)の田切美智雄先生の研究チームが、5億5千年前の日本最古の火山岩(流紋岩)を発見したのです。その後の研究調査で、小木津山自然公園やかみね公園を含め、日立市と常陸太田市に広がる多賀山地の約3分の2が、カンブリア紀の地層であることが分かりました。
 小木津山自然公園には、日本列島のルーツを垣間見える岩石や地層がたくさん見られます。
小木津山自然公園マップ
 この小木津山自然公園に、地元のボランティアジオネット日立の皆さんが、日本最古の地層を分かりやすく示した看板を3基設置しました。令和5年度茨城県企業連携型NPO支援事業を活用して設置された看板を確認するため、5月5日、ジオネットの皆さんのご案内で自然公園を視察しました。
 駐車場から100m位上がった場所が、小木津山自然公園の入口です。入口の右側に、50cm程度の小さな滝があります。ここが、5億5千年前のカンブリア紀の岩石が最初に発見された場所です。大きな看板が立っていますので、すぐに分かります。
 2023年9月の水害で、自然公園は大きな被害を受けました。未だに、駐車場は使用禁止。水道やトイレも使えないため、進入禁止の場所も多くあります。

中央園池と珪石
中央園池と珪石
中央園池はかつて珪石を掘っていた場所に、水が溜まって出来た池です。珪石は石英の塊で、日立鉱山の銅精錬の際に使われてきました。

いしくぼの滝
いしくぼの滝
滝全体が5億年前の変成花崗岩で出来ています。この変成花崗岩は、東連津川上流の不動滝まで続いています。

な兩花崗岩の大岩
変成花崗岩の大岩
山桜の大木のもとにある、変成花崗岩で出来た大きな岩石です。
地表に露出した変成花崗岩が風化して割れ、転がってきたものです(転石)。この周辺に点在している岩石は、5億年前の変成花崗岩です。

令和5年茨城県企業連携型NPO支援事業に協力
 茨城県には、全国にも類例がない県と企業が連携して、NPO(ボランティア)の活動を支援する仕組みがあります。「茨城県企業連携型NPO活動支援事業」と名付けられたこの事業は、NPOの活動を県と企業が同額を寄付して支援する取り組みで、令和3年度から始まりました。
 私が主宰する一般社団法人地方創生戦略研究所は、令和4年、令和5年度と日立の町おこしに関するNPOに活動資金を寄付をして支援してきました。
 令和5年度は、ジオネット日立に寄付しました。ジオネット日立は、日立市内に分布する日本最古の地層を中心に地質・地形・化石、歴史や文化などの研究、教育活動等を行っています。

 日立市の小木津山自然公園を初め、山間部に広く分布する地層が日本最古のカンブリア紀(5億年前)であることが発見されて15年目となります。これを伝える案内板は現地に2枚あるのみで発信力が不十分であるため、県北の魅力発信の一環として市内外や県外から訪れる人にも理解してもらえるよう、今回、案内看板を7枚、案内パンフレットを2種類作しました。