介護予防
 2024年4月1日、高齢者が支払う介護保険料(介護保険第1号保険料)が改定されました。茨城県内の市町村の平均はこれまでより2.3%引き上げられ、5609円となりました。第1号保険料は、市町村ごとに3年に1度見直されます。
 厚労省のまとめによると、茨城県内の市町村の平均は5609円で、これまでより124円、率にして2.3%引き上げられました。全国の都道府県の平均は6225円で、山口県に次いで全国で2番目に低い金額です。
茨城県内自治体の介護保険料
 県内の市町村別では、北茨城市が最も高く6700円。次いで、河内町が6400円、土浦市が6150円などとなっています。今回、保険料を引き上げたのは18の自治体で、伸び率が最も高かったのは北茨城市の35.4%でした。北茨城市は保険料を引き上げた理由について「負担軽減のため、これまでは基金を取り崩してきたが残額が少なくなり、増額せざるを得ない状況となった」としています。
 一方、保険料が最も低いのは結城市で4600円、次いで、筑西市と守谷市が4800円、潮来市が4950円などとなっています。
 保険料を引き下げたのは4つの自治体で、最も引下げ率が高かったのは筑西市の11.1%でした。
筑西市は引き下げの理由について「高齢者の負担軽減のため基金を取り崩して介護給付に充てることを決めた。ただ、要介護などの認定率が上昇しているため、今後増額する可能性もある」としています。
 今後も高齢者数が増加していくことを考えれば保険料は徐々に上がっていくことが想定されます。要介護の状況に至る前の健康増進策・フレイル対策の充実などが望まれます。

介護保険料と要介護率の相関
 介護保険料は介護保険の利用者が多くなれば高くなります。65歳以上の高齢者に占める要介護や要支援の認定者の割合は令和3年度のデータで、茨城県は15.6%と全国の都道府県で最も低くなっています。一方、保険料が全国でも最も高い大阪府は22.6%と認定率も全国で最も高くなっています。
 茨城県内市町村の介護保険料と要介護認定率の相関を調べてみました。介護保険料と要介護認定率の正の相関がはっきりと見て取れます。
 また、介護保険料の上昇を抑えるため、市町村は徴収した保険料のうち余った分を「介護給付費準備基金」として積み立てていて、給付に充てることもできます。今回、保険料を11%余り引き下げた筑西市は、この基金を取り崩すことで引き下げを実現しました。ただ、筑西市では、3年後の改定では今年度ほど基金は多く活用できず、引き上げることも視野に入れているとされています。
 また、保険料の伸び率が最も高かった北茨城市では、2021年度からの3年間は基金を取り崩すことで保険料を据え置いていましたが、残額が少なくなったため、基金の取り崩しをやめ、今回、過去最大の引き上げに踏み切りました。