珠洲市の仮設住宅
 日本ムービングハウス協会は、輪島市、珠洲市、能登町に設置した仮設住宅のエアコン等の全棟調査とクリーニングを実施しています。
 6月8日のNHKニュースで、協会が整備を行った珠洲市正院小学校グラウンドの仮設住宅団地内のリユースユニット(過去の災害で活用された住戸)で、エアコンのクリーニングが実施されていなかった事例の報道ありました。
 ムービングハウスは、高品質の仮設住宅をいち早く被災者に提供できるシステムです。一般のプレハブ仮設住宅とは違い、長期間の使用に耐えるため、繰り返し災害現場で使うシステムです。当然、再利用の際は、室内外の再整備やエアコン、風呂、トイレ、システムキッチンなどの清掃や整備は絶対に必要です。
 今回、エアコンのクリーニングがされていなかった事例が判明したことは、施工者や発注者、管理する行政の責任は重いと言えます。
 ムービングハウス協会によれば、能登半島地震で提供されたムービングハウスを活用した仮設住宅の総数は428戸。その内、リユースされたユニットを活用した住宅は72戸でした。
 市町村別では、今回話題となった珠洲市で46戸。内訳は正院小学校グラウンド(正院町第1団地):44戸、総合病院東側駐車場(野々江町第1団地):1戸、唐笠町牧場用地:1戸です。輪島市は、キリコ会館多目的広場(マリンタウン第1団地):24戸です。能登町は、鶴町牧場用地:1戸、宇加塚牧場用地:1戸の合計2戸です。
珠洲市の仮設住宅
 能登地域に配備されたムービングハウスの一部は、エアコンやキッチン、ユニットバスなどの設備機器が付属した状態で、九州豪雨災害等の応急仮設住宅で活用されていました。使用後は、協会が管理するストックヤードに移設し、ハウスクリーニングを実施後、再利用しています。今回のユニットは、ストックヤードでのエアコンクリーニングが未確認であったユニットです。クリーニング実施状況の記録が不備だったため、見落としが発生したと協会は説明しています。
 協会は、リユースユニットを使用している72戸の住戸全てに対し、エアコン清掃現況の調査確認とエアコンのクリーニングを実施しています。現在、石川県、各市町の担当者の指導の下、入居者と連絡を取りエアコンの現況の調査確認を進めており、6月20日現在で、入居者と連絡がついたユニットの点検は完了しています。現況調査後は汚れの有無にかかわらず、対象住戸全てのエアコンのクリーニングを速やかに行う意向です。
 協会のホームページには「該当住戸の入居者の皆様には、弊会の担当者から連絡を差し上げ、迅速に対応させていただく所存です。入居者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしましたこと、心からお詫び申し上げます」とのお詫びのことばが、6月13日付で掲載されています。

 ムービングハウスは、2018年にはじめて建設型仮設住宅として採用された新しいシステムです。高性能の住宅を被災者に、いち早く提供でき、繰り返し使用できるSDGsの精神に合致した優れた仕組みです。6年間全国で運用され、リユースされる事例も増えています。今回の事案を教訓に、協会にはムービングハウスのシステムをより完全なものにブラッシュアップしていただきたいと思います。
 また、地元石川テレビは「洗濯機から水が漏れたり壁が濡れたり100点満点ということではないですけど、住ませてもらっといて文句いうつもりはない」と、入居者の声を伝えています。入居している被災者の方が、仮設住宅の不備を指摘しずらい環境があることも事実です。仮設住宅団地ごとに、被災者の生活をサポートする支援員(サポーター)などの充実を図るべきと、提案します。