茨城県鉾田市の大竹海岸海水浴場は、その壮大な景観と遠浅の砂浜、形の良い波が立つことから、「茨城のゴールドコースト」と呼ばれ、海水浴客やサーファーに人気の場所です。
 2023年夏は、約2万5000人が訪れるなど、多くの人々に親しまれてきました。
 6月19日、鉾田市観光協会は、「現在、砂浜の浸食や、護岸ブロック等の破損があり、市民や来場者の安全性を最優先に考慮した結果、令和6年度の大竹海岸海水浴場は、開設中止することとなりました」と、発表しました。
大竹海岸
 鹿島灘一帯の砂浜は、那珂川や利根川からの土砂供給によって維持されてきました。しかし、1970年代以降、港湾などの沿岸開発が進む中で、川からの土砂供給が減少し、砂浜が減衰する状況が顕著になってきました。砂が南北に運ばれなくなったことが砂浜浸食の主な原因といわれています。
 茨城県はヘッドランドの整備などで、砂浜の回復を試みています。しかし、根本的な解決には至っていません。今年春、地元住民から海岸浸食がひどく、危険との声が上がり、鉾田市は県に対し、護岸修復や砂浜回復の対策を求める要望書を提出しました。
 鉾田市では、海水浴場開設中止に伴い、ライフセーバー等の監視員を配置しません。大竹海岸は潮の流れが速く、離岸流が発生している場所もあります。海岸に来訪する人が海に入ることを控えるよう呼びかけています。
 6月20日、大竹海岸海水浴場の状況を空撮しました。ヘッドランドの空撮動画は、2021年7月19日の撮影です。