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 8月23日、日本原子力発電(原電)は、東海村の東海第2発電所の再稼働に向けた安全対策工事の完了時期を、2026年12月まで延期することを発表しました。
 今回の延期は、昨年10月に発覚した防潮堤のコンクリート充塡不足と鉄筋の変形が原因。これが東海第2原発の安全性に深刻な影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。原電は、基礎部分の強化や周辺地盤の改良など、追加の安全対策に大きな影響を与えました。
 防潮堤は、原子力施設において津波などの自然災害から守るための重要な構造物です。しかし、その基礎部分に施工不良が見つかったことで、原電は再び安全対策工事の計画を見直し、さらに多くの時間と資源を投じることになりました。
 このような状況下で、茨城県の大井川和彦知事は「安全性を高めるための工事を着実に実施し、その状況について県民に対して適切に情報提供を行い、信頼を得られるよう努めてほしい」とコメントしました。また、東海村の山田修村長も「国の審査に真摯に対応し、さらなる安全性の向上に努めてほしい」との意向を示しました。
 今回の工期延期は、地域住民の不安を増幅させる結果となりました。東海第2原発は、電力供給の面でも重要な役割を担っている一方で、その再稼働が地域社会や環境に与える影響は計り知れません。私たちがこの問題に対して真摯に向き合い、今後の展開を注視し続けることが求められています。
 工事不良が発覚して10ヶ月も経過しての工事延期の発表。原電の住民への説明責任が問われています。
 写真は、再稼働に向けて安全対策工事が進められている東海第2原発。久慈川河口よりドローンで撮影しました。

重要な更新
 8月29日、原子力規制庁は、追加工事の方針を示した日本原子力発電に対し検討すべき影響や評価があるなどとして、改めて詳細な設計を示すよう求めました。
 日本原電は、この日行われた審査会合で追加工事の方針を示し、不備が見つかった基礎部分は残したまま、鋼鉄の板や鉄骨で補強するほか周辺の地盤改良を行うなどと説明しました。これに対し、原子力規制庁の担当者からは、基礎部分を残した場合の評価を示してほしいとか、地盤改良を行う際の周辺設備への影響を検討すべきだといった指摘が相次ぎました。そのうえで、「現時点では工事の実現性の見通しが立っていない」として、日本原電に改めて詳細な設計を示すよう求めました。