自民党の総裁選、首相交代からあまりに早すぎる解散のため、『石破政権』の仕事を、国民はまだ見ていないし、判断の材料には乏しかったのでしょう。一方、野党の政策や実績も「裏金批判」により、皮肉にも自ら政策をかき消すことになり、ほとんど伝わってきませんでした。ゆえにこの度の選挙は、自民党石破政権というより、政治と金の問題含めた『石破政権前』の自民党と、『野党の政権担当能力』が、感覚的なイメージで評価された選挙結果となりました。
そのため、自民党は議席を減らしても比較第一党の地位を占め、他の野党も議席を増やしても比較第一党になれはないと言うことになりました。まさに『勝者なき衆議院選挙』です。
公明党は、小選挙区で石井啓一党代表(埼玉14区)が落選、大阪は全敗など、改選前の32議席から8議席減の24議席に止まりました。
さて、茨城県内比例区の公明党の得票と連立を組む自民党の票とを市町ごと、小選挙区ごとに比べてみました。
自民党の比例区票は389,468票で、前回-81,711票(17.3%減)となりました。一方、公明党は142,759票と前回-31,173(17.9%減)です。
立憲民主党の得票は、前回得票を割り込んでいるのには驚かされます。国民民主党は倍増しました。
小選挙区ごとに見てみると、その状況にかなり状況に違いがあります。
自民党の得票率が高いのは、茨城2区34.98%(小選挙区・額賀)、4区34.71%(梶山)、7区33.54%(永岡)です。公明党の得票率も12.99%、11.08%、13.72%と高くなっています。
5区の公明党は12.17%と比較的高くなっていますが、ここは自民党候補を県内唯一推薦していません。自公連携の枠組みにとらわれず、比例票を拡大した結果です。
自民党の得票率が30.09%とある程度高いのに拘わらず、公明党の得票率が8.99%と低いのが、6区です。大票田であるつくば市で市議選との同日選となったことも要因の一つになっています。
自民党の得票減の割合と公明党の割合を、市町村別にマトリックスにしてみました。
つくば市、守谷市、牛久市など東京通勤圏都市の得票率が低い傾向があります。こうした都市部有権者への取り組みの強化が必要です。