2024年衆議院選挙の比例区において、国民民主党が大きな躍進を遂げました。
国民民主党の得票数は617万票余りで得票率は11.3%に達し、前回選挙時の4.5%から2.5倍と大幅増を示しました。この大きな支持増加の背景には、特に若年層からの支持が寄せられていることが明らかです。
20代の投票行動を見てみると、国民への支持率は26%にのぼり、同世代での自民党の支持率20%を上回り、比例区において「第1党」の地位を獲得しました。特に20代の男性においては、3割近い29%が国民民主党に投票しており、注目すべき支持層が形成されています。30代でも、国民民主党は21%の支持を集め、自民党の支持率(同21%)に並んでいます。このように、国民民主党が若い世代において支持を急拡大させたことが、今回の得票増の大きな要因の一つとなっています。
また、無党派層の動向も国民民主党の躍進を支えています。無党派層の投票先として、立憲民主党には22%が投票したものの、国民民主党も16%の支持を集め、無党派層における自民党の14%や維新の11%を上回りました。特定の支持政党を持たない有権者からの支持を拡大できたことも、国民民主党にとって追い風となりました。
一方、自民党は若年層での支持減少が顕著でした。18〜19歳では26%、20代で20%、30代で21%と、若年層の支持が前回選挙から大幅に減少しています。しかし、70代以上の高齢層では依然として高い支持を維持しており、30%以上が投票しています。このように自民党の支持基盤が高齢層に偏りつつあることが浮き彫りになりました。連立を組む公明党にも同様の傾向がみられます。
その他の政党の動向についても、興味深い結果が得られています。立憲民主党は若年層で横ばいでしたが、30代以上でやや支持を増加させました。維新は30〜60代での支持が減少し、共産党は40代以上で支持が減少しています。
一方で、れいわ新選組は30〜50代で支持をほぼ倍増させ、幅広い年代から支持を得たことが注目されます。参政党も初出馬ながら、20〜50代で5%の支持を得ており、今後の動向が注目されます。
今回の選挙結果から見えるのは、国民民主党が若年層や無党派層からの支持を拡大し、新たな支持層を形成している一方で、従来の支持基盤に依存する政党は、年齢構成の偏りや他党への流出に悩まされているということです。この結果は、今後の日本政治における政党再編や新たな支持層の形成が進んでいく可能性を示唆しているといえます。