2024年9月、政府は初めて都道府県別の男女賃金格差を公表しました。
女性の賃金が男性の賃金を上回っている都道府県はありません。男性の賃金を100としたときに女性のそれは8割未満程度にとどまっています。男女で非正規雇用比率が異なるためではないかと、その理由は説明されています。
OECD38カ国の男女の賃金格差平均は、9割程度であることを踏まえれば、明らかに日本における男女間の賃金格差は顕著です。
令和5年度の調査結果で都道府県別にみると、高知、岩手、長崎、秋田、奈良が「格差の小さな都道府県」の上位5県で8割前後。逆に「格差の大きな都道府県」として栃木、茨城、長野、東京、愛知が7割程度となっています。茨城県はワースト2位の72.1%です。
茨城県の大井川知事は、11月15日、県内4つの経済団体に対して、男女の賃金格差を是正する要請を行いました。茨城県は、女性の勤続年数が男性より短いことや、女性の管理職割合が低いことなどが、賃金格差に影響していると分析しています。
このため、管理職の女性登用を促すため経営者の意識醸成を図ることや、結婚や出産などを経た後でも女性が働き続けられる環境を整備するよう求めました。
しかし、「格差が小さな都道府県」が好ましいと、手放しでは喜べない現実があります。
厚労省によると、令和5年度の最低賃金の全国加重平均は1004円ですが、「格差の小さな都道府県」上位の高知、岩手、長崎、秋田、奈良の最低賃金はそれぞれ897円、893円、898円、897円、936円と全国平均を下回っています。一方、「格差の大きな都道府県」上位の栃木、茨城、長野、東京、愛知の最低賃金は954円、953円、948円、1113円、1027円と全国平均を大きく上回っています。
実は、大阪、千葉、神奈川といったその他の最低賃金が高い主に都市部の都道府県も、軒並み「格差が大きな都道府県」に位置しています。
賃金が高い都道府県ほど、男女の賃金格差が大きいという皮肉な現状をどのように変えていくか、日本社会の大きな課題です。
厚労省によると、令和5年度の最低賃金の全国加重平均は1004円ですが、「格差の小さな都道府県」上位の高知、岩手、長崎、秋田、奈良の最低賃金はそれぞれ897円、893円、898円、897円、936円と全国平均を下回っています。一方、「格差の大きな都道府県」上位の栃木、茨城、長野、東京、愛知の最低賃金は954円、953円、948円、1113円、1027円と全国平均を大きく上回っています。
実は、大阪、千葉、神奈川といったその他の最低賃金が高い主に都市部の都道府県も、軒並み「格差が大きな都道府県」に位置しています。
賃金が高い都道府県ほど、男女の賃金格差が大きいという皮肉な現状をどのように変えていくか、日本社会の大きな課題です。