鉄道まちづくりサミットin常陸太田
−ちん電は、みんなの財産だ!−
鉄道まちづくりサミットin常陸太田 8月8日、常陸太田市生涯学習センターで、日立電鉄線の存続を求める市民団体や高校生団体、鉄道まちづくり会議などが主催した「鉄道まちづくりサミットin常陸太田」が開催されました。
 今までの運動は、抽象的な存続の議論が多かったきらいがありますが、今回のサミットでは市民団体の側から初めて具体的な数値が示されました。環境自治体会議環境政策研究所が、鉄道運営と鉄道敷管理など別会社で行う上下分離式による具体的な「日立電鉄線存続に向けた市民報告書」を提案しました。
 市民報告書によると、新しい事業体を前提に、今後10年間で24億円の公的補助が必要になる一方で、日立電鉄の存続による渋滞軽減効果などによる社会的便益は、合計127億円に上ります。費用対効果を比較すると、効果が5倍以上でるシミュレーションとなっています。
 シンポジウムは、最後に日立電鉄を存続させるための10項目にわたる緊急アピールを採択し閉幕しました。高校生徒会連絡会代表の「ちん電を未来に走らせたい」との結びの言葉が重く響いた会合となりました。
市民団体が行った単年度収支予測
運行会社
収入営業収入3億4000万円 
支出運行経費1億5000万円 
線路使用料1億9000万円保有会社へ
支出合計3億4000万円 

保有会社
収入営業収入1億9000万円運行会社から
営業収入  6000万円土地の運用など
補助金2億9000万円国、県、市、民間など
収入合計5億4000万円 
支出保線・車両
その他管理費
1億1000万円 
新車償却費  6000万円 
近代化事業・
安全緊急対策費
3億円 
自主整備投資  5000万円 
諸税等  2000万円 
支出合計5億4000万円 

補助金内訳
1億円安全対策等
県・市1億4000万円 
民間出資  5000万円 
合計2億9000万円 

電鉄線を廃止した場合の費用と効果の比較(10年間)
便益鉄道利用者時間便益9億300万円
交通事故2億7800万円
移動費用36億6100万円
道路利用者時間便益100億2100万円
環境便益大気汚染3億2100万円
事業者便益企業利益▼24億4600万円
便益合計127億3700万円
費用企業損失分の補助24億4600万円
費用対便益比5.2