YOMIURI ON-LINE(2004/8/27)
ボンベルタ日立店来春閉店 家主が新百貨店準備
 ボンベルタ伊勢甚日立店(日立市神峰町)の来春閉店について、長川和夫社長は8月26日、日立商工会議所の山本忠安会頭、日立市の樫村千秋市長を訪れ、撤退を正式に伝えた。関係者によると、日立店が入居するビルオーナーの神峰総合開発(長山昌弘社長)が、新しい「百貨店」を開く準備を進めており、長川社長は、「家主の新規事業に協力して、日立店閉店後の休業期間をできるだけ短くし、地元への迷惑を最小限にしたい」と語った。
 山本会頭は「伊勢甚に引き続き営業してもらうのがベストだが、だめなら、地元資本の神峰総合開発の新百貨店計画に、伊勢甚が力を貸してほしい」と要望。樫村市長は「シンボル的存在のデパートがなくなるのは大変残念。事業継続を希望したい」とコメントした。
 長川社長は、家主との賃貸契約更新交渉では、家賃、契約期間で折り合わなかったと話した。
 賃貸契約交渉がまとまらなかったことが、伊勢甚閉店の最大要因です。
 伊勢甚が入居するアウリットは、神峰総合開発(社長:長山昌弘)が管理運営を行っています。20年の貸借期間中に、初期投資を回収し、減価償却もある程度完了すれば、賃貸料の大幅な引き下げも可能と見られてきました。
 伊勢甚日立店は県北地域で最大の売り上げ(年商108億円)を上げている店舗であり、売り上げが多少低迷しても、固定費である賃貸料などが引き下げられれば、単年度ベースでの経営収支の改善が期待され、伊勢甚の経営が続けられるのではないかと思われていたところです。
 しかし、神峰総合開発としては、大幅な賃貸料の引き下げには難色を示し、契約期間も長期の契約を望んだ模様です。
 イオングループとの契約更改交渉の中で、神峰開発は独自の事業展開に舵を切ったと思われます。一刻も早い、新事業の具体像の提示が期待されています。