公明党東京都本部(代表:山口那津男参議院議員)の政策勉強会の席上、元社会保障制度審議会委員(元日本経済新聞論説委員)で年金制度に詳しい阿部恂氏は、政府与党の年金改革案について、「不勉強なマスコミが改革先送りとか数字合わせとか悪口を言うが、私は良い改革案だと思う」と強調しました。
 「今後、選挙が近くなると悪口もいっぱい出てくるだろうが、今度の改革の中心を担った公明党の皆さんが疑念を抱くのではなく、良い改革案だと胸を張って言ってもらわないと困る」と述べ、政府案が示した改革の方向性が正しいことを力説しました。
 また、阿部氏は「公的年金は国が国民と交わした老後の所得保障の契約であり、改革はゆっくり少しずつ進めていかないといけない」とし、現役世代の負担が過重にならないよう、給付の伸びを徐々に抑制していく改革の重要性を指摘しました。
 その点で、今回の法案に盛り込まれた調整方式「マクロ経済スライド」について、年金の支え手が減少する影響を巧みに調整する仕組みだと、高く評価しました。
 更に、阿部氏は「少子高齢化は先進諸国に共通した課題だ」として、同様に改革に取り組むスウェーデンやドイツの事例を紹介。「日本はマクロ経済スライドの導入という形で乗り込み、この年金改革の国際的レースで決勝まで勝ち進んだ、という感じがする」と述べ、今回の改革案が世界的に見ても高く評価されることを強調しました。
 さらに、保険料については、「欧州諸国が年収の20%以上となる中で、年金積立金を取り崩すことで(将来の上限を)18.30%に抑えることができた」とし、公明党が積立金の取り崩しを主張し、政府案に盛り込ませた点についても賛意を表しました。
(写真は5月17日に開催された公明党東京都本部の政策勉強会:公明党のHPより転載)