つくばエクスプレスの建設を進めている鉄道・運輸機構は、9月14日、県庁に橋本県知事を訪ね、清水・大木・古久根JVが、無報告けで補修した箇所の補修及び点検が完了した旨を、橋本昌茨城県知事に報告しました。
 それによると、鉄道・運輸機構は、雑誌社(写真週刊誌FLASH)から連絡を受け、8月26日から9月3日まで、清水・大木・古久根JVが平成14年12月に、鉄道・運輸機構へ報告せず、補修したと思われる箇所(つくばエクスプレス(TX)の「みどりの駅」(つくば市萱丸)近くの第3萱丸高架橋)を重点的に調査しました。鉄道・運輸機構としては、これまでの調査結果から、補修の範囲は確認できましたが、使用材料・補修方法等については直接確認がとれず、健全と断定できないことから、補修箇所を全て取り除き、鉄道・運輸機構確認のもと再補修を行わせることにしました。
●再補修工事
 再補修工事を9月3日から実施し、補修した箇所の取り除き及び、無収締高流動モルタルを充填する工事を9月11日に終了しました。
 また、9月13日は充填したモルタルの強度試験を行い、問題のないことが確認され、17日までには支保工足場の撤去を終える予定です。
●総点検
 第3萱丸高架橋以外の鉄筋コンクリート構造物についても、既存の補修記録と照合しながら全線を踏査しました。特に今回の問題箇所は、化粧されていたことに鑑み、コンクリート表面の加工の有無を重点として目視にて調査しました。点検は9月1日から9月9日までの間に行い、一部の箇所については高所作業車も使用して補修箇所の打音検査を実施した結果、異常は認められませんでした。
 また、全工区の請負業者の聞き取り調査も実施し、届出のない大きな補修がないことの確認をするとともに、請負業者による自己担当工区の総点検も実施し、無届補修がないことを確認しました。
 さらに、積雪の除去が不充分であったことが、原因の一つとみなされることから、積雪条件下で施工された高架橋を抽出し、重点的に点検を行いました。点検は9月1日から9月9日までの間、目視及び高所作業車を用いて当該箇所の打音検査を行うとともに、請負業者から施工状況の聞き取り調査も実施しました。その結果、異常は認められませんでした。
 なお、現在工事しゅん功監査を実施中であり、引続き万全を期すために全線にわたっての確認を実施する予定です。