「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」」(西村ミチ江座長)は9月12日、日立市水木町の泉が森公民館で例会を開き、来年4月以降の運行業務を引き継ぐ、市民参加の株式会社設立を提案しました。9月21日の例会で、設立に向け活動するかどうかを決定する予定です。
 提案によると、市民、行政、企業から出資者を公募、経営にも参加してもらう。資本金を1000万円とし、一株5万円で募集する案などが示されました。
 モデルとなっているのは、このブログでも紹介した広島県のJR可部線です。住民らが今年4月、資本金1000万円の太田川鉄道株式会社を設立、来春の運行再開を目指しています。鉄道施設は、広島市など沿線5市町村にJR西日本が無償譲渡しており、住民側は自治体に貸与を交渉しています。
 しかし、この交渉はかなり難航しているようです。更に、鉄道事業者の免許申請も行政の壁に阻まれているようです。具体的には、太田川鉄道株式会社のHPをご覧下さい。(太田川鉄道株式会社のHP:行政との交渉について
 また、この事業の代表が沿線自治体の町長選に立候補を表明して話題となっています。
 日立電鉄線の場合は、この可部線の事例よりも深刻で、鉄道敷地を日立電鉄(株)から無償貸与できるかどうかは疑問であり(鉄道敷地に借地がある)、たとえ資本金を集めることが出来たとしても、実際にどのような事業が可能なのか、多くの困難を抱えています。
■日立電鉄線の運行存続を担う会社設立の検討にあたって(討議資料)

2004/09/12事務局提案
日立電鉄線を存続させる市民フォーラム
1.なぜ、会社を設立するか?
日立電鉄線は、このまま行けば、残念ながら、日立電鉄(株)が100パーセント運行存続することはあり得ないことと日立市も運行存続は無理であるという判断から代替バス輸送だけの検討に走っており、運行存続を追求している常陸太田市や条件が整えば支援をすると思われる茨城県との調整が立ち居か無くなれば、時間切れで来年3月までの運命となり、4月1日から運行できなくなる。
私たちは、高校生や通勤客、そして、通院や買い物等で利用する高齢者など多くの市民やこの地域を訪れる人たちのためにも、環境にもやさしくコスト的にもメリットがあるこの地方の共有財産である日立電鉄線を守り存続させるために、良識ある市民と行政や企業とそのことを共有しその運行の主体を担う会社を自ら設立する。
2.誰が会社を設立するのか?
運行存続を願い、実践行動を通して日立電鉄線を自らの知恵と労力、そして、資金さえも提供しながら運行存続を実現しようとする趣旨に賛同する市民、行政、企業等が共同で出資し運行業務を担う会社(市民と行政、企業との共同出資による第4セクター)を設立する。
3.出資金はどのように集めるのか?
趣旨に賛同する市民、行政、企業から出資者を公募する。
●例えば、資本金を1000万円とすると、1株5万円で200株
1口(株)5万円で、200口(株)分を集める。
市民も出資者として、また、経営者の一人として電鉄線運行存続のための会社設立に参画し、会社の経営にも参画する。
また、行政や企業も出資者として電鉄線運行存続のための会社設立と経営に参画する。
4.いつ会社を設立するのか?
来年4月以降、日立電鉄線の運行を存続させるために、事務手続き等、諸準備が間に合うように、2004年中に会社を設立する。(会社設立の事務手続き期間は約1ケ月程度)
5.会社の経営理念
(1)地域住民と環境にやさしい地方鉄道の運行を存続させようとする趣旨に賛同する人々で地域の共有財産である日立電鉄線を支える。
(2)日立電鉄線の安全な運行を第一に地域の旅客輸送を確保する。
(3)地域と利用者、社員が一丸となって健全な経営に努力する。
(4)沿線地域や他の地域との交流を深め、両市の発展に寄与する。
■問い合せ先(フォーラム事務局)
TEL0294-36-5111
FAX0294-36-5113
携帯090-1531-1158