●大差で合併反対の投票結果、町長が合併断念を表明
 岩井市、猿島町との一市二町の合併について、町民の意思を問う境町の住民投票が9月12日行われました。
 その結果、賛成が6124票、反対が8699票となり、合併反対が賛成を大きく上回わりました。開票後の記者会見で、野村康雄境町長は「岩井市、猿島町の皆さんには深くおわびを申し上げる。私は基本的には合併は必要だと考えているが条例に基づき町民の意思を尊重し、今回の合併は見送る」(茨城新聞の報道)と述べ、三市町合併を断念する考えを表明しました。
 住民投票は満18歳以上の町民を対象に三市町合併に「賛成」か「反対」か二者択一方式で行われました。投票率は、住民投票が成立する用件である過半数を大きく超え67.77%に達しました。
 2003年5月、岩井市、猿島町境町は法定合併協議会を設立し、16回の協議を経て、新市名「坂東市」や来年3月22日の合併期日などを既に決定していました。
 しかし、今年6月、境町の住民団体が住民投票条例の実行を求める署名簿を提出。町議会も住民投票条例を賛成多数で可決しました。このため、境町は住民投票の結果が出るまで、岩井市と猿島町に法定協の休止を申し入れました。
 一方、岩井市と猿島町は三市町合併ができなくなった場合を想定し、一市一町による法定協を8月に発足させ、来春の「坂東市」発足への準備を進めています。
 今回の住民投票の過程で、合併反対派は「1市2町の合併では、様々な行政サービス上で不利があるばかりで周辺部に追いやられてしまう。県西地域の大合併が必要である」と主張しました。しかし、県西地区の大合併の可能性は、合併特例期間中にはあり得ません。したがって、境町の判断は、将来的に単独の行政を選択をしたことになります。境町の住民は、こうした厳しい選択をした事実を深く自覚する必要があります。