橋本昌茨城県知事は、9月16日の定例記者会見で、岡山電気軌道が日立電鉄線の継続に関する話し合いの再開を求めたことに対して、「データ(日立電鉄線の経営指標)は、あるものはしっかり示し、岡山電軌の判断を待つことになる」と述べ、県としても可能な限り、電鉄の経営指標提示に協力する考えを表明しました。(読売新聞茨城版の記事より)
 また、「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」が、市民株主を公募して受け皿会社設立することを提案したことに対しては、「事業を直接応援できる動きが非常に少なかったが、やっと熱意ある動きが出てきた」と歓迎する姿勢を明らかにしました。
読売新聞茨城版(2004/9/17)
岡山電軌への経営指標提示 知事、協力する意向
 岡山電気軌道(本社・岡山市)が日立電鉄線の存続を巡る協議再開を申し入れたことについて、橋本知事は十六日の記者会見で、「岡山電軌と常陸太田市、県との間でいろんな話し合いをしていかねばならない。データは、あるものはしっかり示し、岡山電軌の判断を待つことになる」と述べ、県としても可能な限り、電鉄の経営指標提示に協力する考えを表明した。
 「日立電鉄線を存続させる市民フォーラム」(西村ミチ江座長)が、市民出資による受け皿会社設立を模索していることについては、「事業を直接応援できる動きが非常に少なかったが、やっと熱意ある動きが出てきた」と評価した。
 これに関連し、常陸太田市の萩谷暎夫総務部長が同日、県庁を訪れ、十五日でホームページでの後継事業者公募を締め切ったことや、岡山電軌との協議内容について、県の担当者に報告した。県側は、知事が電鉄の経営指標データを岡山電軌に提示すべきとの意向を示したことを説明し、市側も「持ち帰って検討する」と述べたという。

橋本県知事の定例記者会見(2004/9/16)
○日立電鉄線の廃止問題について
記者:日立電鉄の廃止問題なのですが,常陸太田市がホームページで公募していた期限が昨日(9月15日)までで,結局,問い合わせがあったのが岡山の1社だったのですが,その岡山電気軌道は,今,協議再開を申し入れていまして,日立電鉄の経営指標を検討したいのでその材料を示してほしいということを言っています。昨日の県議会の総務企画委員会でも,委員の方から,やはり検討材料としてわかるものは少なくとも提供すべきではないかということで,県に舵取りをしてほしいと,県に調整を求める声が出ております。県としてはどのように検討していますか。
知事:県の担当職員が岡山電気軌道の関係者に直接会って話を聞いたところでは,日立電鉄線の経営に携わるという形ではなくて,鉄道経営のノウハウはあるのでコンサル的な立場として関わりたいと考えているという話でありました。地元が歓迎し,経費について全額地元負担してもらえれば自ら運行することもあり得るという話もあるそうでありますが,どちらにしても,まだ岡山電気軌道と常陸太田市,あるいはまた県といろいろ話し合いをしていかなければいけないと考えております。今日にも常陸太田市と話を持つようなことを聞いておりますので,そういった結果を踏まえて考えていきたいと思います。
記者:関連ですが,地元で存続を願っている市民団体が,1株株主のような形で市民参加型の市民出資の株式会社をつくって,それを受け皿会社にできないかということも検討しているようですが,市民団体がそういう取り組みをしようとしていることについて知事はどのようにお考えですか。
知事:これは僕はやっと具体の熱意ある動きが出てきたのかなという感じがしております。いろいろ今まで動きはありましたものの,その事業を直接応援できるような体制の人が非常に少なかった。例えば,いろいろと要望に来られても,ほとんどの人はこの鉄道を自分は利用していませんという方たちばかりで,そういう中から地元の人たちからも,自分たちがもっと何か出すからという格好で申し出がない限り税金を使うわけにもいかないのではないかという意見などもあったわけであります。そういう点からすれば,今回の地元の動きは熱意が大変に出ている動きだという感じがします。ただ,こうした動きだけですぐ経営問題がどちらかに動くということにはとてもいかないだろうと思っております。これから岡山電気軌道と十分慎重な協議をして,もちろん経営に関するデータはしっかり示した上で,岡山電気軌道の判断を待っていくことになると思っています。