小中学校で使用する教科書を選ぶ地域割を、細分化すべきとの議論があります。これは、扶桑社の『新しい歴史教科書』を採択すべきとする方々の主張によるところが大きいのが事実です。
 採択を検討する地域割りが小さくなれば、『新しい歴史教科書』を選択する地域が増えるとの見込みがあるからと推測されます。
 9月21日付けの産経新聞茨城版に、あたかも来年から採択地域を細分化したことが決定をしたような記事が掲載されました。 
産経新聞茨城版(2004/9/21)
小中学校教科書 採択地区細分化へ 
来年度から7地区→市・郡単位に

 県教委は、小中学校で使う教科書を複数の市町村で共同で選んでいる「採択地区」を現行の七地区から大幅に細分化する方針を固めた。来年度に行われる中学校教科書採択から実施する。地区数は未定だが、県議会が採択地区を市または郡単位にするよう求める決議を今議会で可決する見通しで、決議を尊重した場合、三十から四十程度になる。(教科書問題取材班)
 しかし、この記事は明らかに「誤報」であり県議会などでの議論を無視したものです。
 ご存知のように茨城県では、合併特例法による市町村合併の大きな動きがあります。その動きが固まり、新しい市町村・郡などの地域割りが確定するのは、平成18年3月になります。市町村合併が完結しない中で、大幅な採択地域の見直しが行えるわけがありません。
 県議会文教治安委員会でも、このような議論が行われ、川俣教育長も明確に答弁をしているところです。
 そうした議論を無視して、「来年度から7地区→市・郡単位に」と見出しを打つことには、大きな疑問を持ちます。
 井手よしひろ県議は、茨城県義務教育課長に、この記事についての、県教育委員会としての見解を明確にすることを強く求めました。