国の行政改革の一環で、統合が進められている日本原子力研究所(原研)と核燃料サイクル開発機構(核燃)の新法人の本社を茨城県に誘致すべしとの意見が高まっています。こうした動きを受けて、橋本昌県知事が文科大臣要望書を提出しました。
YOMIURI ON-LINE(2004/5/26)
原子力新法人の本社 知事、県内設置を要望 文科相に
 日本原子力研究所(原研)と核燃料サイクル開発機構(核燃)の統合で設置される原子力新法人について、橋本知事は5月25日、文部科学省を訪れ、県内への本社設置を求める要望書を河村文科相に手渡した。
 これに対し、河村文科相は「茨城県にはいろいろお世話になっており、重く受け止めるが、今まさに検討が始まったところだ」と述べた上で、「8月の概算要求の時点である程度はっきりするだろう」との見通しを示した。
 要望書では、「茨城県は我が国における原子力研究・開発・利用の発祥の地」とアピールした上で、新法人の統一的かつ一元的な安全管理体制の確立や地域の理解と協力のもとに研究開発の一層の充実、強化を図るため」と県内誘致を訴えている。
 現在、原研は千葉県柏市、核燃は東海村にそれぞれ本社を置いているが、政府の特殊法人整理合理化に伴って二法人が統合され、来年の通常国会に新法人設置法案が提出される。
 新法人本社を巡っては、「高速増殖炉もんじゅ」を抱える福井県も誘致に名乗りを上げ、県内では東海村や大洗町が意欲を示している。