里美牧場内の風力発電機を視察する井手よしひろ県議 平成14年4月に里美村のプラトー里美(里美牧場)内に風力発電施設が建設されました。現在、隣接する場所に新に6基風力発電装置を建設する計画・「里美ウインドファーム風力発電設備整備事業」が具体化しています。
 計画を進めているのは、風力発電機器の販売事業を手掛けるIPPジャパン(株)(鈴木兼四社長、東京都港区三田3−1−10マルハチビル6階)です。新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)による補助が10月下旬に認可されれば、総事業費、約20億円で、12月に風力発電機の製造、17年5月には仮設部・基礎部の工事に着手する方針です。
 2004年11月に常陸太田市に合併する地元・里美村も、合併する新市の建設計画に、風力発電施設の充実を位置づけ、アクセス道路などの周辺整備を行う計画です。
 この風力発電事業は、当初、電源開発(株)により進められていましたが、昨年末、採算性の面から同社の計画が頓挫しました。その後、IPPジャパンが計画を引き継いだ経緯があります。
 IPPジャパンでは、既設データをもとに、今月から追加環境調査を開始し、騒音や電波障害、景観などの影響がないか調査を実施しています。これに併行して、NEDOへの申請や東京電力との協議、地元住民への説明会を開催してます。
スペインのエコテクニア社製の大型風車 設置予定の風力発電機は、スペインのエコテクニア社製の大型風車6台で、山岳地帯や風力変動に強いのが特長です。一台あたりの出力は1670KW、現在同地区に建設されている風力発電機が600KWですので、一台で約3倍、全体で17基分の発電が可能です。
 産業経済省の補助内示を既に受けており、年内にも正式認可が下りれば具体的な工事に入ります。
 風力発電機の製造を12月〜17年7月にかけて行い、約1か月で輸送。併行して、仮設部や基礎部の工事を17年5月〜8月下旬に、電気工事を17年6月〜9月中旬に行います。17年9月中旬から風力発電機の据付に着手して、11月下旬には東京電力の使用前事前検査も含めた試運転調整を行います。
 経済産業省による確定検査を通れば18年3月から実際の発電が開始される見通しです。
 総事業費は、風力発電機6台分を合計して約20億円を試算しており、このうち27%にあたる5億4000万円を国がNEDOなどを通じて補助する見通しです。
<リンク>IPPジャパン(株)
<参考リンク>里美牧場内に風力発電施設建設
風力発電所建設予定地の地図:livedoor MAPにリンク

この記事は、日本工業経済新聞社のインターネット版「里美村に風力発電機6基を設置/IPPジャパン(株)」2004/9/23付けの記事をもとに作成させて頂きました。