プリペイド携帯・預貯金口座売買に規制を
 電話で「オレ、オレだよ」などと身内を装い、金銭をだまし取るオレオレ詐欺の被害が広がっています。
 被害総額は今年に入り8月末までに100億円を突破し、前年同期の2.3倍に増えました。被害者は40歳以上の女性が全体の6割以上に上り、子どもや孫の交通事故や消費者金融の借金をでっち上げ、示談金や返済を要求する事例が多くなってます。
 当初は高齢者が被害に遭うことが多かったが、最近では学生の保護者を狙うケースが増えている。手口も巧妙化し、電話口に警察や弁護士役が次々と出て、もっともらしい状況を演出する「劇団型オレオレ詐欺」が目立っています。救急車のサイレンを効果音に使ったり、犯行中、事故に遭ったことにした子どもの携帯電話に犯人が電話をして本人確認ができないようにした例もあります。
 オレオレ詐欺は、孫や子ども、夫などの家族を心配する気持ちを悪用する卑劣な犯罪であり、断じて許すことはできません。政府は法整備を含めて厳しく対処し、撲滅をめざすべきです。
悪用される危険性があるレンタル携帯電話のインターネット広告
 その抜本的対策として注目されているのが「プリぺード式携帯」と「架空銀行・郵便口座」の規制です。
 犯行に使われる携帯電話のうち、9割以上が料金先払いのプリペイドカード式です。振り込みを要求する預貯金口座も口座屋から入手したものが大半で、いずれも犯人の特定を難しくしています。
 プリペイドカード式の携帯電話は他の重大犯罪にも使われています。犯罪への利用を防ぐために契約時の本人確認、転売した場合の届け出を義務化するなどの対策が求められます。そもそも全面発売禁止にすべしとの意見もあります。
 預金口座はインターネットでも取引され、身に覚えのないアダルトサイト利用代金などを求める架空請求詐欺にも使われるケースが増えています。口座売買を取り締まる法律を整備し、口座屋の横行を封じることが急務です。