朝日新聞(livedoor NEWS:2004/10/26)
イラクで日本人男性拉致、福岡出身の香田証生さんか
国際テロ組織アルカイダに関係があるとされるヨルダン人ザルカウィ氏の率いる武装グループが10月26日、日本人男性1人を拉致したとする映像をイスラム系ウェブサイトに流し、48時間以内に自衛隊を撤退させなければ人質の男性を殺害すると警告した。細田官房長官は27日午前の記者会見で、この男性は福岡県直方市出身の香田証生(こうだ・しょうせい)さん(24)とみられると発表した。小泉首相は同日朝、事実確認を指示するとともに、「自衛隊は撤退させない」と述べた。今年4月には、日本人のボランティア活動家らを人質にして自衛隊撤退を要求する事件が起きている。
また、悩ましい事件が発生しました。正午のNHKニュースによると香田証生さんは、観光旅行感覚でアンマンからバクダッドに入ったといわれています。携帯電話など、しっかりとした装備や支援者との連携もなかったようです。先の拉致事件では「自己責任」という言葉が議論を呼びました。イラクへの人道支援などの目的ではなく、今回の入国が単なる物見遊山であったならば、その行為は日本に対して大きな損失をもたらすことになります。
国民の保護は政府の責任です。自衛隊の撤退のよりテロに屈することも許されません。その二つの原則を踏み外さず、政府の毅然たる対応が望まれます。
(掲載した写真はテレビニュース画像をキャプチャーしたものです)
<参考リンク>Yahoo! newsで読む
<参考リンク>Google Newsで読む
<参考リンク>Aljazeera.Net(英語版)
情報が錯綜・混乱(2004/10/30 18:45)
10月30日午前4時に緊急会見した外務省の高島報道官は、「香田さんの遺体を、現地時間の29日午後、イラク駐留米軍が発見、日本時間の30日未明、日本政府に知らせた」と発表しました。
しかし、午後3時半過ぎに会見した細田官房長官は、「日本時間の正午ころにイラクからクウェートにアメリカ軍の輸送機が到着したがそれで運ばれた遺体については、クウェートの日本大使館の医務官らが確認した結果、香田証生さんではないことがわかった」と述べました。
香田さんの生死について、これだけ情報が錯綜している状況を見ると、政府側は全く犯人側とコンタクトがとれていないことがうかがわれます。
香田さんの遺体発見、小泉首相は自衛隊の活動継続を表明(2004/10/31 22:30)
イラクのバグダッド市内で10月31日未明、男性の遺体が見つかり、政府は武装グループに拘束されていた香田証生さんと確認しました。
遺体は星条旗でくるまれ、うつぶせで後ろ手に縛られ、さらに足も縛られていました。死因は頭部切断で、銃で撃たれた跡はない、ということです。自衛隊撤退を要求された人質事件では初めての犠牲者となりました。
小泉首相は、「引き続き自衛隊による人道復興支援を行う」との声明を発表しました。
また、香田さんの家族は「みなさんに迷惑をかけて申し訳ありません。救出に向け、各方面の協力をいただき、ありがとうございました。イラクの人たちの1日も早い平和を願っています」とのコメントを発表しました。
理不尽なテロ行為で命をなくされた香田証生さんのご冥福をお祈りします。
香田さんの遺体写真やビデオ映像がインターネット上で公開される(2004/11/3 10:30)
香田さんを人質にとっていた「イラク・アルカイダ機構」を名乗る組織が11月2日、殺害場面を映したビデオ映像をウェブサイトで公開しました。
日本のサイトでもこの写真や映像を転載しているサイトが存在します。公序良俗に反するこうした映像(画像)の掲載は、その理由の如何を問わず、即刻中止すべきです。
井手よしひろ県議は、早速遺体写真を掲載したブログの管理者(提供事業者)に掲載中止を求めるメールを発信しました。11月3日20:30現在で、その内一箇所は、ブログサイトに接続できなくなっています。管理者の英断に敬意を表します。
<関連ブログ>香田証生さん殺害、テロリストが犯行声明
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