11月1日に日立市に編入合併する十王町の閉町記念式典が10月28日、十王町総合健康福祉センターで行われました。町民ら約400人が集い、48年間にわたる町の歩みを振り返り、新日立市での更なる発展を誓いあいました。
 十王町は1955年(昭和30年)、櫛形村と黒前村が合併し、翌年、1月1日に、町制に移行しました。和田浩一町長は「炭鉱閉山、経済不況などの困難を乗り越えて、地域の発展に尽くしてきた先人、先輩の努力に敬意を表したい。新市でも、十王地域の一層の発展に尽力したい」と式辞を述べました。
 来賓として出席した樫村千秋日立市長は「日立市と十王町は都市計画や下水道事業など、様々な面で一体的なまちづくりを展開してきた。県北の拠点都市を目指していきたい」とあいさつした。
 また、十王町の調整運営に功労があった各界の代表者に、表彰状が贈られました。
 十王町閉町式典での和田浩一町長の式辞
十王町閉町記念式典町長式辞

2004/10/28
十王町総合健康福祉センター

 本日ここに、ご多忙の所にもかかわらず、町の内外からご来賓の皆様多数のご臨席を賜り、十王町閉町記念式典をこのように厳粛に挙行することができますことを、誠に有難く、かつ、感慨深く感じております。
 また、本日表彰を受け受けられた皆様方には、心よりお祝い申し上げますと同時に、これまでの、町政に対するご尽力、ご功績に深く敬意と感謝の意を表する次第であります。
 十王町は誕生して以来、ほぼ半世紀の歳月を重ねてまいりましたが、まもなくその歴史に幕を下ろそうとしております。
 思い起こしますと、昭和30年2月に櫛形村と黒前村が合併して十王村となり、翌31年1月に町制を施行して、人口10500人余り十王町が誕生したわけであります。
 以来今日まで、高度経済成長や科学技術の発展、情報化など我が国社会の進展と合わせて、町も飛躍的に発展し、私たちの暮らしも大きく様変わりをしてまいりました。この間、炭鉱閉山や経済不況など困難な時期もありましたが、これらを乗り越え、これまで地域の発展に尽くしてこられた多くの先人、諸先輩方のたゆまぬご努力とご功績に、あらためて敬意と感謝の意を表するものであります。
 町は近年、総合健康福祉センターを核として保健衛生や福祉施策が充実し、芸術・文化活動なども盛んとなり、新しい住宅団地の開発や図書館の開館、十王駅周辺整備などとがあいまって、市街地では徐々に賑わいの様相を見せ始めております。周辺部におきましても、ダムやパノラマ公園、伊師浜海岸などが観光レジャーのスポットとして、多くの来訪者で賑わっております。
 あらためて十王町が、調和の取れたコンパクトな町として発展を遂げてきたことを実感しております。
 しかしながら、いまだ未着手・未解決の難題は山積しており、これからのまちづくりに目を転じましても、新たな課題が次々と待ち受けております。
 長引く景気の低迷や国が進める地方分権、三位一体改革など、小さな地方自治体を取り巻く環境はきかめて厳しく、かつ不安定な状況におかれつつあります。
 これまでのような、国や県に大きく依存する行財政の運営体質では、時代の流れに即応した行政の運営や地域の特性を生かしたまちづくりなどは、きわめて困難になるといわざるを得ません。
 このような時流、本町の置かれた状況を照らして本町のあるべき姿や将来像などを冷静に検討してまいりました結果、今の自治体の枠組みにこだわらず、もっと大きな視点に立って、行政の広域化を進めることが.行財政運営の基盤の強化や効率化、高度化を図り、ひいては地域の発展にもつながるものとの結論に至りました。さらには、町民の皆様の多くの期待と、合併協議会委員のご尽力、そして町議会の適切なご判断によやまして、来る11月1日をもって、日立市と合併することとなった次第であります。
 すでに、日立市・十王町合併協議会において、新市建設計画が策定され、十王地域のまちづくりのための施策も多数盛り込まれております。
 新しく日立市民となる私たちに期待されることは、この計画が目指す新市の将来像の実現に向けて、それぞれの立場でそれぞれの役割をしっかりと果たしていくことであります。とりわけ、新市になましても残られる議員の皆様をはじめ、これから委嘱されます十王地域審議会の委員の方々には、この計画が着実に実施されますよう、お力添えをたまわりたいと望むものであります。
 私といたしましても、町民の皆様が一刻も早く日立市としての自覚と誇りをもち、十王地域が早期に新市として一体化することが、真の住民の福祉向上につながるものと信じて、与えられる職責に微力を尽くしてまいりたいと考えております。
 最後にあたり、この閉町式典にあたり、十王町の五十年の歴史に思い致しつつ、新しい日立市の未来に大きな希望を抱き、十王地域の一層の発展にさらなる尽力を惜しまないことをご臨席の皆さまと共に誓い合い、式辞といたします。
十王町長 和田浩一