10月23日の新潟中越地震発生以来、被災者の方の中で過労やストレスなどによって急死するケースが増えています。
読売新聞(YOMIURI ON LINE 2004/10/29)
地震で長引く車内生活、急死相次ぐ…28日も2人
 新潟県中越地震で車内に寝泊まりする避難生活を強いられている40歳代と80歳代の女性2人が28日、急性心不全などで相次いで死亡した。地震から6日目を迎え、長引く避難生活に疲労やストレスが重なっており、いずれも「震災関連死」とみられる。
 長岡市内の土砂崩れ現場で、この日死亡が確認された小出町の皆川真優(まゆ)ちゃん(3)と合わせ、地震による死者は計35人となった。避難者は同日午後5時現在、37市町村で9万9111人に上っている。
 震災関連死は、建物倒壊や土砂崩れなどの直接被害ではなく、地震のショックなどで心筋こうそくや脳こうそくを誘発したり、避難後のストレスでくも膜下出血を起こしたりして亡くなるケース。
 新潟県警のまとめによると、死者35人のうち、半数を超える18人が震災関連死とみられるほか、65歳以上のお年寄りも同じく18人を占めている。
 この日亡くなった川西町野口、主婦野沢悦子さん(48)は午前6時ごろ起き、寝泊まりしている車から降りた後に突然倒れた。病院に運ばれたが、肺そく栓症で死亡した。
 十日町署によると、野沢さんは地震発生後、ワゴン車に4人で泊まり込み、寝起きしていた。避難生活や散乱した家の後片づけでの過労などが原因と見られている。
 同じ姿勢で長時間座っていると、静脈に血の塊ができ、心肺停止を招くこともある「エコノミークラス症候群」の可能性を指摘する見方も出ている。

 日本予防医学リスクマネージメント学会評議員の洙田靖夫医師の「乗用車等で寝泊りしている方々の健康リスク対策」が、rescuenow.netに掲載されていましたので要約して転載させて頂きます。(原文はこちらをご覧下さい)
「いわゆるエコノミークラス症候群」とは
下腿(すね)の奥にある静脈が長時間圧迫されて血栓が発生し、その血管を詰まらせたり、また血栓が肺まで移動して、肺の血管を詰まらせるものです。強烈な痛みがあり、死亡することもあります。
予防方法
足の運動・水分の補給・ゆったりとした服装・過度の飲酒を避ける等
危険な兆候
大腿から下の脚の発赤・腫脹・痛み、多彩な胸部症状、呼吸苦、胸部苦悶感、息苦しさ
→このような症状が発生したら、躊躇せず病院で受診してください。
<参考リンク>エコノミークラス症候群に関する提言