香田証生さんが殺害された事件で、香田さんを人質にとっていた「イラク・アルカイダ機構」を名乗る組織が11月2日、殺害場面を映したビデオ映像をウェブサイトで公表しました。
 11月3日午前現在、いくつかのサイトにもアップされており、私もその一つにアクセスすることが出来ました。黒覆面をした男3人が「イラク・アルカイダ機構」と書かれた黒い旗の前に立ち、中央の1人が声明を読み上げました。香田さんは、中央に白いティーシャツ姿で、後ろ手に座らされ、押し倒されるようにして殺害されました。
 テロリストは声明文で「日本政府が数100万ドルの身代金を出すと申し出たが、我々は聖戦を着実に遂行する。日本が安全を望むなら、軍隊を撤退させることだ」と、表明しています。身代金を提示したことについては日本政府は否定しています。
ビデオや映像のインターネット掲載は慎むべき
 今回の殺害現場のビデオ映像は、かなりショッキングな映像で、さすがに気分が滅入っています。こうした映像が誰もが見られる状況になっていること、再配信しようと思えばすぐに出来ることなど、インターネットの功罪を改めて考えさせられています。
 リンクを設定することや再配布することは、道義上慎むべきだと考えます。サイトによっては、無惨な写真をこれ見よがしに掲載して、小泉首相の責任を糺すとのキャプションを付けているサイトもありますが、その人権感覚に閉口します。サイト管理者は英断をもって掲載を中止させるべきだと思います。
 一部には、イラクに自衛隊を派遣しなくれば香田さんの死はなかったと主張する人がいます。自衛隊の派遣がなければ、日本人・香田さんの死は無かったかも知れませんが、テロリストによる無数の香田さん(日本人以外の善良な民間人)の殺害は続いていくことでしょう。日本が国際社会に対して、どのような平和貢献が出来るのか考えるとき、香田さんの事件を恣意的に利用することは避けるべきです。

香田さんの遺体写真やビデオ映像の削除を求める(2004/11/3 10:30)
 日本のサイトでも、香田さんの殺害された写真や映像を転載しているサイトが複数存在します。公序良俗に反するこうした映像(画像)の掲載は、その理由の如何を問わず、即刻中止すべきです。
 井手よしひろ県議は、早速遺体写真を掲載したブログの管理者(提供事業者)に掲載中止を求めるメールを発信しました。11月3日、20:30現在で、その内一箇所は、ブログサイトに接続できなくなりました。事業者の英断に敬意を表します。